第39話:転換
『『
「……S級ッ!」
二つ名を冠するのは圧倒的制圧力を持つバケモノのみであり、図らずも自身が強敵であることを明かしたルージュ。
本部の電波をジャミングしたことからも実力がわかる、なにせあのオルターの懐に立ち入るも同然だからだ。S級が楽園を攻めない抑止力、それを恐れないほどの力を有しているのか……!!
「なんのようだ?」
『おいおい、冷てぇじゃねぇか。せっかく新しい同胞に挨拶をしようと思ったのに』
「残念だが、彼女は今留守だ」
『知ってるぞ、うちのバイオレットが面倒をかけたなぁ?』
やはり、アスナを追い詰めたのはS級か……ッ!
『あまり腹の探り合いは得意じゃねぇんだよ。だから単刀直入に行こう―――
『
「断る」
『断れねぇんだよ。そこにいてもどーせ
「……………今、彼女の意識は沈んで他の人格が現れている。引き取ってもなんの旨味もないぞ」
『意識を戻す方法を知っている、と言ったら?』
「……………」
『ほら、もう選択肢は無いよなぁ? 嫌なら来て直談判すればいい、殲滅者会議で』
「殲滅者に集会があるのか? そもそもコミニュティはどうなっているんだ?」
『そのへんはも〜ちょっと親密にならないと教えられないね。そん時になったら私の部屋の鍵とどっちがいいか選ばせてやるよ』
行きはよいよい帰りは怖い。しかし、罠だとわかっていても踏み抜かねば進めない場所だってあるだろう。
「条件はなんだ?」
『話が早くて助かるよ。一つ目はホワイトを連れてくること、二つ目は誰にも報告しないこと。私はいつでもお前を見ているぞ、カズト・アマネ』
ブツッ……………
「指揮官……」
不安そうに俺を見つめる彼女たち。
「勝手に決めてごめん、でも俺はアスナを」
「わかっています、ですが1人で悩まないでください」
すっと俺の手を取るスカレット。
「ありがとう」
「うむ、話はまとまったなッ! ならば合点会いに行かねばならぬ奴が1人ッ!!」
「あぁ、うちらのもう1人のメインアタッカーにして、最後の仲間だ」
「ちょっと待って、もう調整も最終盤に入ってる、今からアタッカーを増やしても足が揃わないし、今の今まで訓練にも参加しなかったやつを連れてきても足手纏いよ」
苦言を表するイエルロに、心配するなと声をかけるキング。
「奴が合わせるのではない、私たちが奴と共に戦うのだッ!!」
「はぁ?」
「正直言ってあいつは天才だ。お前とキングを合わせても力押しできるかどうかもわからん」
「今、最も『
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