バカップル?

 優斗は、なにも悪くないのにどうして謝るなんて…

 

 

 そもそも彼女とうまくいかなかったのって…わたしのせい?

 

「優斗…?」

 

 …

 

「実はオレ、モカのことずっと好きで…」

 

 いきなりの発言にわたしは、びっくりした。

 

「え?わたしを?」

 

 優斗の衝撃的な言葉に唖然とした。

 

 だってわたしは、ずっと優斗に冷たい対応しかしてこなかったから…

 

 

 てか、そもそもさ…

 

 

 …

 

 

 なんでわたしを好きなのに、絵莉さんと交際を…?

 

 ⁉︎

 

「まさか…あの噂って…」

「…うん。オレはモカが好きだから守りたくて。だから絵莉とずっと付き合ってた。」

 

 

 わたしの頬をポロポロ涙が伝った。

 

「ごめんなさい…こんなわたしのために…ごめんなさい。」

 

 わたしは、涙がとまらなかった。

 

 あんなに無愛想なわたしのために、からだをはってわたしを守ってくれていたなんて…しかも三年もだよ?好きじゃない人と手とか繋いだりとか、どんな気持ちで優斗は……

 

 

 …

 

 噂とは、わたしと付き合わないとあなたの大切な人が毎日泣くハメになるよーってやつだ。

 

 そんな噂、でっち上げだと思ってた。

 

 絵莉さん美人だし、優斗もてっきり絵莉さんのこと好きなんだって思ってた。

 だから…

 だれかのひがみかと思ってた。

 

 美男美女カップルだからさ…。

 そんな噂のウソ話だれかが広めてるんだって思ってた。

 

 …

 

 そもそも大切な人って…まさかわたしだったなんて…。

 

 

 だからたまに優斗は、

「最近どう?」

 って聞いてきてたんだ…。

 

 

 自慢とかじゃなくて…ほんとに心配して聞いていてくれていたなんて…。

 

 …

 

「優斗…ごめん。ごめんね…」

 

 涙がとまらなかった。

 

 そんなわたしに優斗はいつも落ち着いて、そして優しく、

「モカを守りきれてよかった」

 と微笑んだ。

 

「優斗は…ずるいな」

「なんで?」

 

 …

 

「だって…だってさ…わたしには持ってないキラキラがあるんだもん。」

 と真面目に答えた。

 

 なのに優斗ってば、

「あはは、キラキラって…そんなもん持ってないから」

 と笑った。

 

 なんならモカのほうがオレにしたらキラキラしてるよ?

 なんて言ってくるのよ?

 

 もう…お互いどう思っているのよ?

 

 わたしはさっきまで泣いていたのに、今はもう笑顔になっていた。

 

 

「モカ、帰ろっか」

「うん!」

 

 わたし達は、童心にかえったかのように仲良く手を繋いで歩いた。

 

 

 

 

「決めた!わたし、勉強頑張る‼︎あと、ダイエットも‼︎」

 と宣言すると優斗は、

「え?モカって…ダイエットする必要なくない?勉強は……ね?あれだけど…ね?」

 なんていうのよ!

 

「ひどーい!勉強…わたしだって本気を出せばできるんだから‼︎」

 と真面目ふうな顔を優斗に向けた。

 

 すると思いっきり吹き出す優斗。

 

「んもー、ほんとにできるんだからねっ‼︎」

 今度はプスん顔をすると優斗にぷっくり膨らんだほっぺをツンってされて、ぷぅって音がなった。

 

 

「「あはは」」

 

 楽しいな。

 

 久しぶりに優斗とこんなに笑い合った。

 

 何年ぶりだろう。

 

 

 わたしは、優斗と手を繋いで歩きながら誓った。

 

 

 優斗に釣り合える女性になろうとね⭐︎

 

 

 ダイエットに勉強、そして…恋も頑張るぞ♡

 

 

 優斗がわたしを選んでよかったって思える素敵な女性になるよ‼︎

 

 

 

 

 

「モカ、今なに考えてた?」

 

「えっ?えと……」

 

「オレは、モカのこと大好きって改めて思ってた。」

 なんてわたしを真面目な顔でじっとみてきた。

 

 

 …

 

「それは…わたしだって……」

 

「ん?わたしだってなぁに?」

「わたし…だって……その……」

 

「うんうん、なあに?」

 ニヤニヤの優斗。

 

「ねぇ、その顔やめて!恥ずかしくて言えない。」

 

「わかったよ、じゃあ目瞑るから教えて」

 

 ゆっくりと目を閉じる優斗。

 

 

 優斗、まつ毛ながぁー…

 

 肌もキレイだなぁなんて思わず見惚れていた。

 

 

「ねぇ?どうした?」

 

 優斗は、目をつぶったまま心配しながらもわたしの言葉を待っているようだった。

 

 

「あー…あの……優斗‼︎大好き‼︎」

 と言ってすぐわたしは、そんな優斗にそっとキスをした。

 

 

 すると優斗がバチっと目をあけた。

 

「えっ?今のって⁇え?」

 

「ふふ、それがわたしのこたえだよん♡」

 

 と微笑むと優斗がいきなりわたしに抱きついてきた。

 

 

 ⁉︎

 

「え?優斗…⁉︎いきなりすぎるよ…恥ずかしいから…」

 と離れようとすると優斗は、

「いきなりキスしてきたのは誰ですかぁ?オレさ、もうスイッチ入っちゃったからだめだよ?モカ、好き好き好きー」

 とわたしをぎゅうぎゅうしてきた。

 

 やだぁ‼︎こんなことならもっと痩せて脂肪おとしとくんだった‼︎

 

 

「優斗ー…ギブ‼︎恥ずかしい。スイッチ切ってよ〜」

 とごねると優斗は、

「オンのスイッチはあるけど、オフのスイッチは、ないんだよね〜♡」

 とニヤリとした。

 

「もう、痩せるまで抱きつくの禁止〜」

「痩せなくてもじゅうぶんかわいいよ♡ってことで♡」

 

 ムギュ〜

 

 またハグをされた。

 

「もー…優斗ってばぁ……わたしも大好きだよ〜♡」

 とハグ返しをした。

 

 

 

 

 

 本日、バカップルが誕生いたしましたとさ♡

 

 

 

 おしまい♡

 

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幼馴染さん…どうしてあなたはいつもそうなんですかぁ 猫の集会 @2066-

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