第9話 一生共(狂)愛

「……」


少し心配したが

やつ は大人しくベランダに居た。


僕は背伸びをして抱きしめた。


「ちび。」

「うるせ。殺すぞ」

「……あんたに殺されるなら本望。」

「当たり前。そうじゃないとマジこっから突き落とす。」


翠は笑っている。


…翠の気持ちは分かっていた。


「翠、お前は殺人正しい事をした。お前は俺の大事な人。その大事な人をお前は守ってくれた。殺られる前に殺っただけ。それの何が悪い?いいか。忘れんな。お前は俺と会った時ら俺のものなの。俺もそう。確かに間に元旦那そいつがいたかもしれない。元旦那そいつを本気で想ったかもしれない。でもお前はそいつのために『生きたい』って思ったか?そいつのために『強くなりたい』『守りたい』って思ったか?お前が本気で命かけて一緒に居たいと思ったのは誰よ?」


「あんたに決まってるでしょ。生意気なこと言わないで。」

「…興奮しただろ。やりてーだろ。」



僕らは狂っている。


「今すぐあんたのそのムカつく口塞いで思っいきり首絞めてやりたい。思いっきり泣かせて私を思い知らせてやりたい。」

「……やべ。それイきそう。」




既に翠は僕の首を捕まえて爪をめり込ませていた。



「……愛してる。ようやっとわかった。あたし、あんたのために生きてる。」

「おっせーな。もうちょっと早く分かれよな。」

「間違いは犯したけど後悔はしてない。これから先もあんたといれるならあたしは凄く…幸せ……。」


僕は首に手をかけられたままキスされてた。


「あんたは幸せ?」

「幸せです。。翠で幸せ……。」

「一生鳴いてなさい?死ぬ一歩手前ですくいだしてあげるから。それができるのは後にも先にもあたしだけよ?」



この魔女の様な性格は多分一生治らないだろうなと内心どこか安心して笑っていた。


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