第6話 元旦那


「……あっ。」

「またこんな体に悪いおしゃぶり咥えて。」


夕食後、翠が食器を洗ってる隙にベランダで煙草を吸っていた。


「…だからって俺から取り上げてお前が咥えんのか」

と笑いながら顔を見る。



「……懐かしいな。よくベランダだで隠れて吸ってたっけ。あの日もそうだった。」

「お前は正しいことをした。」

「でもひとひとり殺した事には変わりない。」

「忘れろ」


僕は少し背伸びして翠の首に爪を立ててキスした。


「…忘れられないよ。殺しちゃったんだもん。」


いつもの妖艶な翠ではなくそこに居たのは、元旦那に依存してる一人の病んだ女だった。


「……勝手にすれば?どうせいつまでもお前ん中で生きてんだろ?『元』が付いてるけど旦那には変わりねーもんな。どうせ俺はそこら辺の犬と一緒。いつまでも殺した男に詫びてグジグジ生きてればいいじゃん。そんなお前に興味無い。他の男と一緒に生きてるお前になんて興味無い。。」




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