人間怪談・鬱!こわれた朝
釣ール
いやな日差し
みじかく攻める涼しい朝。
通勤や通学のことを考えると気が重く感じる羽村はもう一度ベッドに眠る。
毎朝だけ静かで夕方からうるさい。
若者や年配者の暴走に共感しかけるのはきっと考えすぎて疲れているからだろう。
仕事もそこまで力を入れていないのだが、なくならない労働とほぼ稼げない金額に一喜一憂する時代でもない。
毎朝だけ静かなのは結構だができれば自宅にいる夕方から丑三つ時まで音もなく休ませてほしい。
きっとふれてはいけない誰かとすれ違ったのかもしれない。
公園に落ちていた鏡へ視線を落としたことがそもそもの間違いだった。
別に怖くはない。
そこにどんな言えない住人が見えたとしても。
どこかの騒音を羽村が寝るときに耳のそばで毎日鳴らす技があると知っていたなら落ちてる鏡なんてみつめなかったさ。
たったこれだけの出来事で呪われるなんてついてない。
いや、憑いているけれど。
明日も朝だけ静かなのか。
確定している明日ほどつまらない絶望はない。
人間怪談・鬱!こわれた朝 釣ール @pixixy1O
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