第15話 羽根が一つ堕ちていた

迎えに来たよ

そいつが言った

ありがとう と

あたしが答えた

もういい

もういいんだ

終わっていいんだよね

そいつは頷いた

足場の縁(へり)を蹴り

羽ばたく

そいつの手を取り

空の気持ちよさを感じ


あたしは何も残さない

ただ一つの羽根だけを

そいつが堕として

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