第2話 歴史ものはカンタンか
歴史ものは実はカンタンなんだよ。
そう言ったのには理由があります。
歴史なので、すでにプロットも登場人物もできあがっているからです。
そのプロットに沿って、時々自分の好みを入れて書けば済むからです。
とはいえ、それでは「どう書けばいいの?」の答えにならないですね。
自分が書こうとしている時代を扱った小説を読んで、真似をしてみるというのが、近道だと思います。
私も読みました。
吉川英治、宮城谷昌光、北方謙三、田中芳樹(敬称略)などの三国志ものです。
あとは「小説家になろう」に連載を始めたあとは、「なろう」に掲載されている三国志ものも読みました。
私は影響されやすいたちです。だから真似してると言われないように気をつけたつもりです。
三国志を書いていて大変だったのは、ひとつの出来事に対して、何人もの伝を読まないと全体像が見えなかったことでした。
私が書いた歴史ものは三国志だけなのですが、日本史や西洋史を題材に書かれている皆様は、純粋にすごいと思っています。
恐らく史料が三国志よりもたくさんあるので、何冊も読まなければならないと思います。
ただ読むだけじゃなくて、読んでわかったことを自分で語り直さなければならない。それも、丸写しと思われないように工夫してです。これも私にはきつかった。正史の丸写しにならないように必死で気をつけていました。
でもそれは、読者の皆様が判断することです。
二次史料は手に入りやすいですが、一次史料は専門機関に行かないと読めないものも多いと思います。
かく言う私も、正史三国志の原文は、インターネットで探して読んでいました。
漢和辞典を引きながら、ではなく、わからない漢字はインターネットで検索しました。自分の訳に自信が持てない時は、素直に翻訳アプリのお世話になりました。
第1話に井波律子さんの翻訳を載せましたが、ちくま学芸文庫の翻訳は詳しく説明しすぎていて、というのは三国志や中国の歴史になじみのない方々にも読みやすいようにという配慮なのだと想像しますが、単純に私の好みには合いませんでした。だから自分が違和感を覚える文があれば、原文に当たっていました。
自分で理解した上で書きたかったからです。
あれ。
歴史ものって、全然カンタンじゃないじゃん。
カンタンなのは、「プロットと登場人物がすでにある」ってだけじゃん?
しかし、プロットも登場人物もすでに用意されているって、すごくラクだと私は思います。
それを痛感したのは、オリジナル小説を書いた時です。
オリジナルだとプロットも登場人物も自分で一から考えるので、今まで私は三国志の世界や人物を借りてラクをしていたのだと痛いほど感じました。
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