第9話 謎の組織と肉

【???視点】

「くッ……」

-魔力が尽きてしまった。

黒いフードを被った男は一歩一歩近づいてくる。

俺は後少しの体力を振り絞り、逃げた。

「あら、どこへ行くの?」

仲間だ。女はさっきの男と同じ黒いフードを被っている。

「くっそ!」

また逃げたが、囲まれてしまった。

体力ももう限界だ。

倒れてしまう。

「お前らは…何を……するつもりだ……!?」

「貴方の返答次第よ。いくつか質問を聞くわ。1問でも答えなければ殺す」

「お前の名はなんだ」

「………………」

「…答えないんですか?【  】」

比較的幼い人-男か女か分からないが、そいつがそう言った瞬間、俺の体が動かなくなった。

なんて言ってたのだろう。

「………黒野くろの光成こうせい

体が動く様になった。

「黒野さんの職業は何ですか?」

「………医師です」

「お前の特殊魔法は何だ?」

「……………」

「答えろよ」

「……【爆破】です」

「貴方は人を殺した事がある?」

「………事故でしたが、あります」

「どうやって、誰を殺した?」

「俺の能力、【爆破】を試していたら、兄を巻き込み…………」

「採用」

「……え?」

「お前、に来い。拒否権は無い」

「っ…………!」

「どうしたの?どうしても断るのなら貴方を今すぐ殺すけど?」

「……………分かった。ただし、お前らに聞きたい事がある」

「答えられるかは分からないが、どうぞ」

「お前らの目的は何だ!?」

「お前がちゃんと働いとけば分かるかもな。じゃあ、まず携帯は没収だ」

「あ……………」

「データは全部消しておく。この後、神の【洗礼】を受けに行く」

洗礼…神…何かの宗教か?

洗礼、というのは恐らく洗脳、という事だろう。

早く脱出しないと…!


【葵視点】

「肉美味しい…………」

現在ポークとライム肉食事中。

〈少女🧒が肉🍖食ってる姿…最高すぎる😃✨〉

〈↑おじさん構文?〉

〈↑通報しました〉

〈美味しそう〉

〈その肉寄越せ〉

「自分で狩れ…」

ああ美味い。一生食べてたい。

「んじゃ、また……」

配信を切る。

またやりたいな、こういう事…

あ、そうだ。

姉さんと凜空さんにも持ってこ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る