第3話 スライムゼリー

ボタンを押した瞬間、繭が縮み、中のライトが赤く光る。

俺は銀色の毛で覆われた狐耳と尻尾を持った獣人になっていた。

俺は種族選びで{獣人:狐}を選んだのだ。

ちなみに獣人は人獣とは逆で獣に1時間だけなれる。

辺りは草原。朝だ。

早速繭から出て、視聴者にお披露目。

「どう?」

〈Oh! So cute!〉

〈可愛い〉

〈ワンちゃんや!〉

『ワンちゃんちゃうわ。まあまずスライムでも戦ってくか』

〈わんちゃーん〉

〈犬ちゃん〉

佐藤きび

〈スライムゼリーってペット用にあるからそれ食べてみてください〉

〈いいねそれ〉

〈アバター種族スライムな俺が食ったらでかくなった。使える能力もちょっと増えた。でも不味かった〉

〈共食い草〉

〈スライムゼリー食え〉

〈食え食え〉

〈獣人になって欲しい〉

〈スライムゼリー買ってきた〉

〈さっすが〉

〈誰?〉

〈っていうかなんで将軍なのに狐?人狸(あるのか?)にすればよかったじゃん〉

〈食べてみるわ〉

「スライムゼリーかぁ………食ってみるか」

〈お優しい女将軍だな〉

〈スライムゼリー50コインだよな?〉

〈うん〉

〈50コインだよ〉

〈500円振り込んどく〉

〈おおお〉

〈俺の金だ!それで食え!〉

〈狐って犬科だったよな〉

「今入ったばっかなのにか?分かったからさ、ある程度冒険してからね!」

〈じゃあ後で食えよ?〉

〈ゆーびきーりげんまん嘘ついたら針千本のーます〉

〈しなかったら…分かってるよな?〉

佐藤きび

〈別に良いですよ〉

〈↑謀反〉

〈スライムゼリー言い出したのこの人だぞ〉

〈本人が言ってる…〉

〈絶対だぞ?〉

「はいはい。お、スライムぜr…スライムがいるな」

〈草〉

〈スライムゼリー があらわれた!〉

「じゃあ……早速、【月光線】!」

{【月光線】は月の見える夜にしか使えません}

〈デメリット付きかよ〉

〈月光線使えないな〉

でも俺の技はこれだけじゃない。俺はジャンプしてスライムの真上を通る直前に叫んだ。

「じゃあ…もうこれでいいや。【火炎】!」

{どの技を使いますか?}

時間が止まる。

俺の体も空中で止まる。

『火炎:I』

すると時は元通り動き出し、スライムは燃える。

声を上げスライム語で何かを叫ぶが、近くのスライムにフフフ…と笑われていた。

性格の悪いやつだったのか。

まあ、結局スライムは死んだ。

スライムは光の粒となって消え、スライムが居た所にはアイテムが落ちていた。

{スライムゼリーの元}

〈スライムゼリー食え〉

それと

{スライムのコア}

よくあるクラフト材料だ。そして…

{スライムのペンダント}

〈何それ〉

〈低確率ドロップ?〉

〈いや、違うと思う。俺はスライム5000万回は倒してるけど、一度も出てない〉

〈もっと低い確率とか、運が悪いだけか〉

これ、なんなんだろうな。まあいいや、俺は先に進もう。

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