第41話「交際条件:カレーライス」(2024/7/26)
「俺と付き合ってください!」
お台場の海沿いで、職場の同僚から告白を受けた。
顔はかっこいいし、スタイルも良い。今日のランチは彼が予約してくれていて、様になっているエスコートも惚れ惚れするほど。
だが、付き合うためには、それら以上に大切なことがある。
「そのお返事の前に、ひとつ質問させて。カレーライスは辛いのが好み? 甘いのが好み?」
「は……? 辛いの苦手だし甘いのが好きだけど……」
「あなたとは付き合えません、ごめんなさい」
当然、彼が納得してくれるわけがない。
「なんでだよ!? 俺のことがタイプじゃないとか同僚としてしか見られないとかならまだしも、たかがカレーで! 納得いかないよ!」
「カレーの日は、辛いのが苦手なあなたに合わせて、甘いカレーを私も食べることになる。S&B社の推計では、日本人は1年に約79食のカレーを食べているの。もし私たちがお付き合いして、結婚して、仮に50年一緒に過ごすとしたら、3950食のカレーを一緒に食べることになる。たかがカレーと言うけど、好きでもないものを食べ続けるってストレスなのよ? 甘いカレーを3950回も我慢して食べるなんて、耐えられないわ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます