第37話「僕の旦那」(2024/7/22)

 ぶへっくしょい! ぶぅ。

 大きなクシャミに続いて、旦那が湿っぽい放屁をかました。

 ぺしっ。こちらに向いた大きな尻を叩いてやる。


「色んなものまき散らさないでくれる?」


 旦那の返事の代わりに、空気清浄機が動き出した。


「わはははは」


 笑いだす旦那。10年前は細マッチョのイケメンだったのに、今や見る影もない。完全なるオッサンと化してしまった。


「今日は暑いから冷しゃぶでいい?」

「タレは胡麻ドレッシングな」

「分かってますよ」


 そう言って、夕飯の支度を始める。

 僕と、僕の旦那の日常。

 お互いに歳をとって、白髪もシミも出てきたけれど。二人一緒に過ごす時間だけは、これからも変わらないでほしい。

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