第23話 中学での部活は。

 中学校に入学して、髭の上級生に驚き、慄きつつも、私は割と楽しく通学していました。

 ほとんどの中学校が同じかと思いますが(今はわからないけれど)部活に入るのは必須でした。


 部活は運動部から文化部まで色々で、当時は子どもの人数も多かったものですから、どの部活にも、それなりに人数がいて活気がありました。


 運動部では、男子だと野球部やサッカー部、男子テニス部、男子バスケット部。

 女子だと女子テニス部、ソフトボール部、女子バスケ部が人気の部活でしたが、他にも卓球部や体操部、陸上部や水泳部、剣道部なども。

 テニスやバスケは男女で別れていましたが、今はどうなんでしょうね?

 文化部のほうも、合唱部やブラスバンド部、美術部や演劇部など色々とありました。


 私は……。

 小学校で演劇クラブに入って面白かったということで、演劇部に入ったのですが、絶望的に運動音痴なので、それ以外だとしたら美術部に入っていたかもしれないな、という程度。


 運動しなくて済むと思えば、きっと楽しいに違いない。


 そう思っていました。


 と

 こ

 ろ

 が


 演劇部。

 舞台(体育館)の一番後ろまで聞こえるくらいの声を出さなければいけないとかで、腹筋を鍛えるというのです。

 授業が終わって、部活の時間になり、部室へ行くと、先ず初めに腹筋三十回、足上げ腹筋を三十回。

 計六十回もやらなければいけません。


 それまで腹筋を鍛えることなどなかった私(いや、私だけでなく入部した一年のほとんどが)

 唐突に突き付けられた腹筋運動六十回。

 ええ、やりますよ?

 やりますとも。先輩の命令ですしね?

 ですが、翌日からは筋肉痛の嵐。まるで生まれたての小鹿のようになります。


 どんなに筋肉痛で辛かろうとも、翌日の部活ではまた腹筋をしなければならない地獄……。


 おまけに月に何度かは「強化の日」みたいなのがあって、腹筋と足上げ腹筋をそれぞれ百回の上、何故か腕立て伏せや背筋までやらされるんですよ~~~。

 更にはマラソンをさせられる日もあって、学校のグラウンド五周とか、外周を二周とか。

 学校行事のマラソン大会が近づくと、大会の練習も兼ねてとかいって、マラソンコースを走らされたり。


 なんでなん???


 私が入ったのは、文化部であったはずなのに、なんでこんなに運動を……。

 慣れるとね、できなくはないんですよ?

 タイムを競い合ったりするワケでもないので、できなくはないんですけど。

 文化部とはなんぞや???

 どうにも解せない練習内容でした。


 とは言え、毎日腹筋をしていても、腹筋が割れるほどにはならなかったので、そんなに厳しい練習ではないんですよね。単に私的に解せなかっただけで。


 あとは、先輩が黒板に書いた長台詞を、与えられた時間内に暗記する、などの練習もしました。

 時間になると先輩が台詞を消してしまい、順番にその台詞を言わされるんですけど、覚えていなかったり台詞の一部が違っていると、罰として腹筋五十回、とか。


 黒板に書いてくれるのは、まだ良いほうで、読み上げた台詞を覚えて、なんていうこともありました。

 もう、みんな必死です。

 だって腹筋やりたくないんだもの。


 おかげで当時は、耳に入る言葉を変に記憶したりしていました。

 少しは記憶力が上がったんでしょうか。

 ただ……勉強やテストには全く生かされていませんでしたが。残念な記憶力です。


 部活自体は、割とみんな仲良くやっていたので、とても楽しかった記憶ばかりです。

 時に揉め事なんかもあったりしましたが、揉めた内容が変だったので、笑い話になっています。


 次回も引き続き、中学時代のお話をまた少しお聞きください。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る