第24話 人を呼ぶとき。

 中学生のころ、みなさんは先生をどう呼んでいましたか?


 私の中学では、私が入学したときには既にあだ名のついた先生が多くいました。

 名前を省略して呼ばれている先生もいましたが、独特なあだ名をつけられた先生も。


 女子の体育の先生は「ジャッキー」でした。

 ジャッキー佐藤(わからない人はググってください)に似ているから。


 音楽の女の先生は「デビル」

 デビル雅美(これもわからない人は以下省略)に似てるから。


 中学二年で担任だった男の先生は「マンゾー」

 翔んで埼玉を見た人はご存じかも知れませんが、当時「さいたまんぞう」という歌手がいて、その人に似ているから。


 ほかにも「ウマ」とか「イモ」なんて呼ばれている先生もいましたし、下の名前で呼び捨てされている先生も。


 すごいネーミングセンスです。

 似ていると言っても、髪型がとか雰囲気がとか、すごーくざっくりした似ている感でしかないのに。

 女の先生なのに「デビル」とか呼ばれちゃうなんて、酷いの一言ですよね……。

 おっとりした雰囲気の先生だったので、嫌だっただろうな~……と思います。


 中学三年のときの担任は女の先生だったんですが「サリーちゃん」と呼ばれていました。

 ちょっとかわいいですよね?

 でも、そのあだ名がつけられた理由が……。

 

「足首がないから」


 でした……。

 先生はその理由を知らなかったようなので、呼ばれることを悪く思っているふうではありませんでしたが。

 ちょっとオタクな先生で、良く漫画の話をしたりしていたので、複雑な気持ちになってしまい、オタク仲間内ではサリーちゃん呼びはしませんでした。


 そしてこのあだ名、一回つけられると結構寿命が長い。

 ほかの学校へ転属していく先生はわかりませんが、残っている先生は、ずっと呼ばれ続けているようなのです。

 なぜわかるのかと言うと、私には五歳年下の妹がいるのですが、その妹が音楽の先生の話をしているとき「デビルが――」と言ったからです。


「デビルって、〇〇先生のことだよね?」


「なんで知ってるの?」


「私のときからデビルって呼ばれてたから」


「えー! そうなの? なんでデビルって呼ばれてるの?」


「……デビル雅美に似てるからだって」


 妹は、そのあだ名のルーツまでは知らなかったようで、ずっと「デビル」と呼ばれているのか不思議だったそうです。

 そりゃあそうですよね、怖い先生ならいざ知らず、おっとり系の先生なんですから。

 しかも理由もわからないのに、あだ名だからと呼び続けるという……。


 子ども同士でも、とんでもないあだ名を命名されることはありますが、比較的、罪悪感も少なく、嫌なあだ名をつけられる羽目になる先生は、大変だろうな~と思います。


 今どきは、あだ名禁止みたいな話を聞きますけど、どうなんですかね?

 小林だったら「コバ」とか、山田だったら「やまちゃん」とかなら、そう悪くはない気もするんですけど……。

 そういうのさえ、嫌だなと感じる人もいるのかもしれないから、消えていくのも仕方ないんでしょうか?


 そんな感じで、次回ももう少し中学時代のお話しにお付き合いください。

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