第18話 動物のお話。その2

 これも私が小学生の時の話です。

 当時、私は小学校六年生くらいの話。


 母に頼まれ、近所のスーパーへ卵を買いに行きました。

 その日、何故か卵を飼うと、ヒヨコが貰えるというイベント(?)をやっていたのです。

 ピヨピヨと愛らしい声で鳴くたくさんのヒヨコ……。

 それはもう、可愛くて可愛くて……( ´艸`)


 ふたパック買ったので、二羽、貰ってしまいました。


「なんでそんなもの貰ってきたの!」


 と、帰って早々、母に文句を言われます。


「だってくれたから……」


 鳥小屋もないのに、等々、怒られつつも、取り敢えず店の裏の犬小屋近くに、段ボールを置いてヒヨコを入れました。

 当時、うちにはほかにセキセイインコの「ヨッちゃん」もいたので、母はカンカンでしたが……。


 この数日後、ヒヨコが気になったワンコが、じゃれるつもりだったのか、二羽のうち一羽をパクリとやってしまいまして……。

 残念な結果になってしまいました。

 残った一羽は、ワンコの残したご飯をついばみながら強く生き抜き、立派な雄鶏になりました。


 これが、実に性格の悪い鶏に育ち……。

 毎朝、私や弟、妹が学校に行こうとすると、どこからともなくサーッと走ってきて、首の周りの羽を逆立ててケリをかましてくる&ツッツキ攻撃をしてくるんです。

 カバンで防御しても、しつこく攻撃してくるので先へ進めなくなるほどです。

 たまりかねて、大声で家の中にいる親を呼び、母や父が窓を開けると、鶏は脱兎のごとく逃げていくんです。


 鶏の中にもヒエラルキーがあるんでしょうか?

 明らかに、親よりは下に扱われていたようです。


 そんな生活が数カ月続いたんですが……。


 立派に育った鶏は、ある日、突然いなくなります。

 うちの店に来ていた常連さんにもらわれていったそうです。

 のちに聞いた話では、美味しい鍋になったそうです……。


 攻撃されて憎々しく思っていましたが、最後はちょっとかわいそうだな、と思いました。

 最初は可愛いヒヨコだったのに……。

 可愛いからといって、うっかり生きものを貰ってはいけないと教訓になりました。

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