第15話 小学校から中学校へ、新たな?出会い。

 私の小学校では、四年生になるとクラブ活動がありました。

 なにか一つ、絶対に入らなければいけないのです。

 クラブは色々とありましたが、四年生では「郷土クラブ」に、五年生で「漫画クラブ」、六年生では「演劇クラブ」に入りました。


 それは、六年生の演劇クラブで起こります。


 当時は子どもの人数も多くて、一学年が四クラスあったのですが、クラス替えは二年おきだったため、一度も同じクラスにならないと、良く知らない子がいたりします。

 うっかりすると、名前も知らないような子です。


 演劇クラブに入ったとき、名前は知らないけれど、顔は見かけたことがある子がいました。

 彼女はCちゃん。

 なんとなくいけ好かない感じの印象です。

 その、いけ好かない理由は、自分ではわかっていました。

 Cちゃんの方も、私をあまり良く思っていなかったようです。


 同じクラブ内にいても、特に話をすることもなく、クラスも一度も同じにならなかったので接点もなく、そのまま卒業を迎え、中学へと入学します。


 私が通った中学は、近隣の三つの小学校から集まってきたため、クラスが一学年九組までありました。

 人数がさらに増えて、益々、知らない子が増えます。


 当時、中学校でも部活動に、なにか一つは入らないといけなくて、私は小学校のクラブ活動が面白かったからと言う理由で「演劇部」に入ることに。


 そこには、Cちゃんもいました……。


 またも、クラスは別ですが、部活では一緒……。

 あまり会いたくなかったのですが、こればかりは仕方がない。


 挨拶をする程度の関係でしかなかったのですが、三年生が引退をして、二年生が林間学校へ行き、一年生の私たちだけになったときに、事件は起こりました。


 夏の前後になると、昔は心霊番組が盛んにやってました。

 その手の話は、私だけでなく、部活のみんなも大好きで、輪になって知っているコワイ話や、恐怖体験を披露するのです。

 キャーキャー騒ぎながら、楽しく話している中、Cちゃんが話す番になりました。


「あのね、私、昔なんだけど、もしかしたら夢かも知れないんだけど、幼稚園ぐらいのときに、どこかの森で誰かになにか、凄く怖いものを握らされたの……でもね、それが誰で、なんだったのか思い出せないの。思い出せないから、夢なのかな……って……」


 聞いた瞬間、大爆笑をかました私……。

 大笑いを続ける私を、ハトが豆鉄砲喰らったような顔で見続けるCちゃん、なにが可笑しいのかと不思議そうなみんな。

 私は笑い過ぎて涙目になりながら言いました。


「それ、私だわ。昔、Iちゃんと三人で遊んだ時に、どんぐり拾いに行ってさ……」


 第2話の幼少期の思い出で書いた話をすると、Cちゃんが叫びます。


「そういえば私、蜘蛛が全然ダメなんだ! アンタのせいだったんだ! サイテー! アンタ最低なヤツだよ!」


「覚えていないとは思わなかったから~、なにも言ってこないから、おかしいと思ってたんだよね」


 小学校のときにクラブで一緒になり、いけ好かないヤツだと思ったのは、私は蜘蛛を握らせた相手だと、わかっていたからでした。

 当然、向こうも覚えていると思ったので、なんとなく嫌味な雰囲気を出しているのかと思っていたのですが、まさか忘れているとは。


 記憶をも飛ばす鬼畜な行為をしたんだな~、と実感しました。


 その後、私は「蜘蛛を他人に握らせるヤバいヤツ」というレッテルを貼られましたが、Cちゃんとは急速に親しくなっていきました。

 付き合いは、今もなお続いています。

 人の縁とは、不思議なものですネ♡


 次回は、中学生の頃の話を少し。

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