第3話 夜の商店街。
家の周りには、というか、商店街の中には、飲み屋さんがたくさんありました。
うちのあった一角には、うちを含めて三軒の食堂がありましたが、普通に二十三時までとかやっていました。
飲んでから、食べて帰る人が多かったからでしょうか?
ほかの通りにも、同じような業態の個人店はいくつもありましたが、ほとんど営業時間は一緒でした。
早く閉まるお店は、だいたい飲食以外でしょうか。
そんな環境だったので、夕飯後なんかでも、寝る直前の二十時くらいまでは、割と近所の子たちと遊んでいたりしました。
どの家の親も、お店が忙しい時間帯ですから、目の届く範囲にいれば、勝手に遊んでくれているほうが、ありがたかったのかもしれないですね。
良く、道路にチョークやロウセキで落書きもしました。
今ではなかなか、できないことですが。
けんけんぱ、という遊びのために、道路上にたくさんの丸を描いたりもしました。
うちの地方では、けんけんぱ、といいましたが、子どもの遊びあるあるで、地方によって言いかたの違いや、若干ルールに違いもあるようです。
夜に遊んでいると、たまに酔っ払いのオジサンたちが「オジサンにもやらせて~」なんて言いながら、割って入ってけんけんを披露してくれました。
とはいえ、酔っ払っているワケですから、そんなバランスでどうにかする遊びなんて、まともにできるワケがありません。
街灯に倒れこんだり、並んでいる自転車に突っ込んだり、軽い事故が起こります(;^_^A
気が大きくなるのは仕方ないことですが、そんなことで怪我をしてどうするんだか……。
当時はまだ、流しのお兄さん(おじさん?)もいて、十九時くらいになると、商店街のスナックを訪ね歩いていました。
ギターを弾きながら歩いているので、子どもだった私たちにとっては目を惹く姿なものですから、ほかの通りに行くまでは、ついて歩いたものでした。
いい迷惑だったと思います、きっと。
そんなふうに過ごしたのも、小学校低学年のころまででしょうか。
小学校中学年くらいになってくると、今度は夜のテレビに夢中になり、夕方まで遊んで帰ってくると、普通に家で過ごすようになっていきます。
なんの番組を見ていたのか、というのは、また別な話しで追々、ご紹介していければと思います。
稀にキテレツな人が大騒ぎをしたりして、窓から眺めみたりもしましたが、地方都市の小さな商店街で、そうそう物騒なことも起こるわけもなく。
まあまあ平和な商店街の夜でした。
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