第8話 99回の告白という存在


私は虹の作ったパソコンを褒めて笑みを浮かべて話していた。

それから私は虹を抱き締めたりしてじゃれあったりして幸せな時間を過ごしていた。

すると虹が私に向いてきた。


「お姉ちゃん」

「...うん?何?虹」

「...お姉ちゃんはこのままで良いの?」

「このまま?このままってのは?」

「それは勿論、その告白してきている人との関係だよ」

「へ!?」


「わ、私は別にどうだって良いよ!」と大慌てで虹を見る。

虹は「うーん。だけどこのままじゃ駄目だと思うけどな。お姉ちゃんは」と微笑む。

私はその顔を見ながら赤面する。

そして「今ですらギリギリだよ」と言う。

すると「うーん」と虹は悩んだ。


「...ねえ」

「...ん?何?虹」

「私がその男性と会ってみて良い?」

「な!?何で!?」

「...お姉ちゃんを変えたその人に会ってみたい」


そう言いながら真剣な顔をする虹。

私はあたふたしていたがその真剣な顔に負けた。

それから「じゃあ会ってみる?」と言うしかない。

虹は「うん。会ってみたい。余計な事は言わないよ」と言う。


「私達は絆で結ばれているから」

「全く。虹ったら」

「...私はこういう性格だから」


そして私はスマホを取り出す。

それからメッセージを飛ばしてみる。

すると直ぐに彼から返事があった。

栄一郎から「良いよ。いきなりだけど」という感じでだ。


「...良いって」

「じゃあ会おうか」


私達はそのまま外に出る。

それから私達は栄一郎に会う。

その場所は丁度、公園だ。



「ゴメンね。栄一郎」

「...い、いや。別に構わない」

「?...何でそんなにぎこちないの?」

「良いじゃないか。俺の事は」


そして慌てる感じの栄一郎を見ながらそのまま私達はベンチに腰掛ける。

それから私は栄一郎から視線を...外してしまった。

恥ずかしくて顔が見れない。

ど、どうしたものか。


「栄一郎さん。私は虹って言います」

「あ、ああ。お話は伺っているよ。...君は妹らしいな」

「そうですね。私の姉がいつもお世話になっております」

「いや。俺が迷惑を掛けてばかりだ」

「...そんな事は」

「...所で君は何で俺に会いに?」


「それは...まあ内緒です」と栄一郎に答える虹。

私はその姿を観察する。

すると「でもどっちかと言えば恩人に会いたくて」と言った。

栄一郎は「恩人?」となる。


「...私達の姉妹の絆を結んだのは栄一郎さんなんです」

「俺?俺何もしてないぞ」

「...いえ。栄一郎さんは告白をしましたよね?お姉ちゃんに。99回ほど」

「そ、そうだな...今となっては恥じるべき過去だ」

「...お姉ちゃんはそんなに迷惑でも無さそうでした」

「は!?」


私はずるっとこけそうになった。

そして私は「ちょっと!虹!?」となる。

何も言わないって言ったじゃん!

そう思いながらだが。

虹はそんな私を制止してから「...まあ迷惑だったのかもしれませんけど。まんざらでも無さそうでした」とニコッとする虹。


「...え?そ、それはどういう...」

「言葉通りの意味です。ただそれだけです」

「...!?」


私は赤面しながら虹を見る。

虹は「...でも貴方がお姉ちゃんに告白しなかったら。私達の今は有りません」と真剣な顔になって栄一郎に向く。

栄一郎は「...大変な家庭なのか」と聞いてくる。

すると虹は「そうですね。...何というか私が大変なだけです」と苦笑した。


「...君が?」

「...私、ギフテッドなんです。...だから天才だから居場所が無かった。お姉ちゃんも家族も落ち込んでいた。その中でお姉ちゃんがいきなり元気になったんです」

「...それは?」

「当初は「うーん?」という感じでした。だけどお姉ちゃんは段々と嬉しそうに話していました。貴方からの告白を」

「...!」

「...そしたら一家も明るくなったんです。お姉ちゃんを軸にして」

「...そういう事だったのか」


「そしてお姉ちゃんが明るいから私も居ようって。そういう気持ちになりました」と虹は笑顔になる。

それから「栄一郎さん」と切り出す。

考え込んでいる栄一郎は顔を上げながら「?」を浮かべる。


「...私ですね。...お姉ちゃんには幸せになってほしいです」

「...ああ」

「...だから貰ってあげて下さい」

「...は?」

「ちょっと!!!!!虹!!!!!」


聞いていれば唖然とする様な!

私は大慌てで否定する。

すると栄一郎は真っ赤になった。

それから「...」となって俯く。

私は「ち、違うから!」とまた大慌てになる。


「私は栄一郎を好いている訳じゃ無い!!!!!」

「そ、そうだよな!アッハッハ!」


私は「あーあ。お姉ちゃんもチャンス逃したなー」と小さく呟く虹に「黙って」と言いながら怒る。

全く。

っていうか...。

私そんなんじゃ無いし!



「良い人だね」

「...何が?」

「栄一郎さん」

「...そ、そうだね」

「お姉ちゃんが惚れるのも良く分かるかな」

「...は!?ほ、惚れて無いし!」


私は帰宅しながら否定する。

全く!!!!!

そう思いながら私は咳払いをする。

それから赤くなったまま虹を見ていると虹は「...でも羨ましいよ?お姉ちゃん。そうやって好きになる相手が居るの」と複雑な顔をする。

その顔に「...」となる私。


「いや。お前気持ち悪い。頭が良すぎて」


かつてそう苦笑して好きな人に言われ虹は...やる気を失った。

その事もあって引き籠っている感じでもある。

もう二度と失いたくないから、と。

虹は...。


「...でも私、頑張ってみるよ」

「...虹?」

「...お姉ちゃんも頑張っているし」

「...」


私はコンビニを見つけた。

そして「虹。アイス買わない?」と言ってみる。

虹は「もう。子供じゃないんだから」と頬を膨らませるが私はそんな虹に「良いじゃん。久々に外に出たんだから」と背中を押した。

それから私達はコンビニに立ち寄った。

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