第16話 「スパイスの謎 - スリランカ編」
私たちはスリランカの美しい都市コロンボに到着した。色とりどりの花々が咲き誇り、香り高いスパイスの香りが漂うこの街は、どこかエキゾチックな雰囲気に包まれていた。次なる依頼人は、地元で有名なスパイス商人、アミラ・フェルナンドさんだった。
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「探偵さん、どうか助けてください。私たちの最も貴重なスパイス、シナモンが突然消えてしまいました。」アミラさんは焦燥の色を隠せなかった。
「シナモンが消えたのはいつのことですか?」私は優しく尋ねた。
「昨夜、倉庫に保管していたシナモンがすっかり無くなっているのを見つけました。これほどの量が一晩で消えるなんて信じられません。」アミラさんは困惑した表情を浮かべていた。
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私たちはまず、アミラさんのスパイス倉庫を詳しく調査することにした。倉庫は色とりどりのスパイスがぎっしりと詰められており、香ばしい香りが漂っていた。消失したシナモンの棚には、かすかな手がかりが残されているかもしれない。
「まずは手がかりを探そう。」涼介が提案した。
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私たちは倉庫内を丹念に調べた。床には微かな足跡が残されており、窓の近くには何かが引きずられたような痕跡があった。
「ここに何かが隠されているかもしれない。」私は窓の周辺を詳しく調べた。
すると、窓枠の下に小さな紙切れが挟まっているのを見つけた。紙には「市場の裏通りで待っている」とだけ書かれていた。
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「どうやら、これが手がかりのようだ。」涼介が言った。
「市場の裏通りに行ってみよう。」私は紙切れを手に、アミラさんに伝えた。
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私たちはコロンボの賑やかな市場に向かった。色とりどりの野菜や果物、香り高いスパイスが並ぶ中、人々の活気に満ちた風景が広がっていた。市場の裏通りに入ると、そこには古い建物が立ち並び、静けさが漂っていた。
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「ここが紙に書かれていた場所だ。」私は周囲を見渡した。
その時、一人の男が現れた。彼はアミラさんの知り合いで、地元のスパイス取引に詳しいサミールという男だった。
「サミール、何が起きたのか知っているのか?」アミラさんが問いかけた。
「実は、昨夜見かけたんだ。怪しい連中がシナモンを運び出しているのを。彼らは船に乗せて何処かに運び出すつもりだった。」サミールは深刻な表情で答えた。
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私たちはすぐに港に向かうことにした。港では多くの船が停泊しており、スパイスの取引が盛んに行われていた。私たちは港の警備員に協力を求め、怪しい船を探し始めた。
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すると、遠くに大きな貨物船が見えた。私たちは警備員と共に船に向かい、船内を調べることにした。船倉には大量のシナモンが積まれており、それがアミラさんの倉庫から消えたシナモンであることが判明した。
「これが盗まれたシナモンだ。」私は確信した。
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船長に事情を問いただすと、彼らはシナモンを国外に持ち出して高値で売りさばくつもりだったことが明らかになった。警察は犯人たちを逮捕し、シナモンは無事にアミラさんの元に戻された。
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その日の夕方、アミラさんの紹介で、私たちはスリランカの伝統的な料理を楽しむことにしました。レストランでカレーやロティを堪能しながら、次の冒険に思いを馳せました。コロンボの美しい夕日が沈む中、街は柔らかな灯りに包まれていました。
「やっぱりスリランカ料理は素晴らしいね。」涼介が満足そうに言った。
「ええ、特にこのスパイスの風味は絶品ね。」私は微笑んだ。
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食事の後、私たちはコロンボの夜景を楽しみながら、次の冒険に向けて準備を整えた。アミラさんも満足そうに感謝の言葉を述べた。
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「世界探偵物語」の第16話「スパイスの謎 - スリランカ編」はここまでです。次回もお楽しみに!
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