第16話 グラビ島

 ここは重力が思い、グラビ島。ここではみんな体重が二〇〇キロを超えている。そんな島では皆空を飛ぶことを夢見ているが、もうみんなこの島の過酷さにその夢を諦めていた。

 そんな中、ライト-ルウェルツトンという少女は飛ぶことを夢見ていた。他の人は「諦めろ、そんなの無理だよ」などと言って笑うが、ライトは諦めなかった。

 まず思いついたのは、風船を使う手だ。この島には魔法の風船がある。それは、重力に逆らって、魔法で空を浮かぶことが出来るという代物だ。もしかしたら、これなら空を飛べるかもしれない。

 だが、ライトはそれじゃあまだ足りないと思った。最上級の風船が必要だ。そこで、風船つくりのプロ、マーク-スウェリのもとへと向かった。


「ねえ、とびっきり浮力の強い風船を作ってくれないかしら」

「そうだね。それには条件がある。俺を楽しませる玩具が欲しいんだ。だからそれを持ってきてくれ」


 そう、マークは難題を突き付けた。もちろん、このおもちゃが何かは、ライトに任せるという事らしい。

 だが、ライトは玩具についてすぐに目星をつけた。それは、この近くに、ロボットが眠っているという事で、そのロボットを使うという事だ。

 この近くに定食屋があったという事に気づいたライトは、そこで情報集めをしようと、中に入った。


「情報か? だったら教えてやる。だが、もちろん何も喰わずに情報だけもらうっていうのは無しだ。そうだ! この店の名物、とんかつ定職を食べてくれ」


 ライトは情報料としては安いと思い、トンカツ定食を頼む。


「嬢ちゃん、一つ教えてやる。カレーはかれえんだぜ」


 店主がそう言った瞬間、ライトには気温が五度下がったような気がした。ちなみにトンカツはくそまずかった。


 そして、マウント山に、ロボットがいるという話を聞いて、コンセント山に行く。するとロボットがいた。


「かくかくしかじかで、私に着いて来てくれないかしら」


 ライトは単刀直入に言った。


「分かったわ、でも私はあなたがかわいそうだからついて行くの。そこのところ勘違いしないでよね」


 そして二人はマークの元に戻る。


 建物の中に入ると、マークは将棋を一人で指していた。


「あの、私と指します?」


 マークを哀れに思ったライトはそう提案した。一人で指すなんてかわいそうだと思ったのだ。


「一緒に指してくれるのか?」


 目を輝かせるマーク、それを見てライトは(ロボット連れてくる意味なかったんじゃ)と思った。

 そして将棋の内容としては、均衡した将棋になった。馬の圧力で、玉の上位を抑えようとするライトに対し、粘って玉の逃げ道を作ろうとするマーク。その対極ははた目から見て、熱い将棋となっていた。

 結果として、マークの玉が詰まされた。ライトがマークの玉を寄せ切ったのだ。

 そして満足したマークは風船を作り始めようとする。だが、それにライトは待ったをかけた。


「ロボット持ってきたので、受け取ってください」と、強く言った。


「俺はそれより君が欲しい。俺と結婚してくれ!!」

 と言い、ライトは驚いた。だが、ライトが声を出す前に、


「ライト様は私のです。絶対に渡しませんから」

「ふーん。ライトは俺のだ。機械如きには渡せないね」


 ライトはその状況に戸惑う。なぜ二人は自分をめぐって争っているのだろう。


「ハアハア、機械如きだと? 取り消せよその言葉!!」


 そのロボットの声に呼応して、空から宇宙船が下りてくる。


「俺は火星から来たロボットだ。同胞の願いにより、この星を征服する!!」


 そして大量の火星人ロボットが攻めてくる。戦車に乗ったり、武器を持ったりして。


「くそ、俺の本当の姿は見せたくはなかったが……ライトのためなら仕方がない!!」


 そしてマークは竜になった。そして彼はロボットを一つ残らず根絶やしにして、彼もその命を失った。


 そして風船に乗り、空を飛んだ。そしてそのまま宇宙に行き、太陽系を一回りして地球に行った。


 地球では、ちょうどテスト期間という事で、テストを受けさせてもらった。とある塾の模擬試験だ。

 問題用紙にケミカル〇ックスと書いたら正解した。

 そして水を飲みながら落語を見た。楽しかった。内容はガラスに関する落語だ。そしてライトは地球に住むことにした。

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