第2話 野菜はいいぞ

 私は今交差点の前に立っている。交差点の向こうには八百屋がある。私のお気に入りの八百屋だ。そこの野菜はスーパーなどの野菜とは違う。何が違うか聞かれても困るが、とにかく美味しいのだ。他のみんなは野菜の味に気づいていない、キャベツ、レタス、ピーマン、ほうれん草さまざまな野菜がある。この野菜たちは私たちの生活を支えてくれる大事な人生の友なのだ。


 私は野菜が嫌いだと言っている人たちにもこの味を知ってもらいたい。別に肉を食べるな、麺を食べるななどと言っているわけではない、それは人の自由だし、私も肉は好きだ。


 私が言いたいのはただ野菜を楽しめという事なのだ。栄養にいいから食べる、バランスを取るために食べる、お母さんに言われたから食べる。それも結構だろう、しかし、野菜は食べたくて食べて欲しいのだ。


 そんなことを考えていたら信号が青になった。私は横断歩道を慎重に渡る。そうしたらもう八百屋の前だ。私はおつかいなどではなく、自分の意思でここの野菜を買うのだ。ここの野菜はスーパーなどの野菜よりは少し高い。質とかもあるかもしれないが、店の大きさの問題だろう、しかし味はスーパーの野菜などとは違う。美味しいのだ。私は買う野菜を選びレジに並ぶ。レジには私の他には1人しか並んでいなかった。


 私はここの野菜は美味しいからもっと並んでいてもいいのになと思ったが、今の状況では私は速く買えるので、この状況の方が良いのか?と自問自答する。


 私は会計を済ましてレジを後にした。私の頭の中にはこの野菜をどうやって料理しようかという思考しかなかった。


 八百屋さんから私の家までは徒歩で15分だ。その15分間で頭の中をフル回転させる。何を作るか、どう作るか、どう味付けするか、どう食べるか、頭の中は幸せな思考が巡っていた。



 家に帰ると母さんに「おつかいお疲れ様」そう話しかけられた。私はお使いのつもりはない、あくまでも自分が買いたいから買っただけなのだ。私はその足で冷蔵庫の野菜庫に料理に必要な野菜を残して野菜を入れて、そのまま料理を開始した。作る料理は帰りにもう決めた。野菜炒めだ。なぜ野菜炒めだというと、肉も食べれるからだ。私は野菜が好きだ、しかし肉が好きではないわけではない、むしろ肉は好きなのだ。


 野菜炒めのつくり方は簡単だ。ニンジンや野菜、ピーマンなどの野菜を切って、肉も用意して炒めるだけだ、そこまで難しい工程はない。


 30分後野菜炒めができた。野菜炒めだけじゃ若干野菜が足りないので、サラダや豚汁なども作って、今日の夜ご飯の出来上がりだ。


 おいしかった、この野菜と肉の組み合わせはやはり最高だ、わざわざ買いに行った甲斐がある。そしてまたあの野菜屋さんに行こうと決めた。


 

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