第9話次回。どうなる…?
僕と聖香は土日にバイトのシフトを入れている。
平日はシフトを入れないように努めていた。
何故ならば僕も放課後は友人と遊びたいと思っていたし予定が合えば聖香とも遊びたいと思っていたからだ。
聖香も同じ様な考えかもしれない。
別に質問をしたわけではないのだが…
きっと同じ様な事を考えているのでは。
そんな事を思ってしまう。
土日にバイトを終えた僕らは月曜日から再び学校へと向かうのであった。
学校へと向かっている道中で僕はイヤホンをしていた。
流行りの音楽を耳にしながら先を急いでいる。
眼の前には件の陽キャグループの姿も存在している。
それを視界の端に捉えながら一定の距離を保っていた。
音量を下げて周囲の音が聞こえるような状態で警戒心も忘れなかった。
「地元の先輩がさぁー。バイト先の女の子を口説こうとしているんだって。
全然上手くいかないみたいでイライラしているんだわぁー。
なんか八つ当たりされてうざいんだよなぁー」
「なんで八つ当たり?」
「知らん。後輩はみんな八つ当たりされているんだわ。
マジだるいわ」
「対して関わりのない相手に口説かれても困るでしょ」
「聖香はそう思うタイプなん?」
「そうだね」
「聖香ちゃんに言い寄る男子は多いでしょ」
「そんなことは…」
「あ…まぁ…本来の姿を…」
聖香の女子友達が事実を口にしようとしていて…
彼女は聖香に視線を送られて口を噤んでいた。
「ごめん。何でも無い」
陽キャグループの男子たちも何やら理由があることを察しているようで苦笑の表情を浮かべていた。
僕は僕で聞かないふりをしながら後ろを歩いている。
学校まで向かう通学路で一台の軽自動車が陽キャグループの前で停まる。
「あ…お疲れ様です」
文句を言っていた男子は車の中にいる男性にペコペコと頭を下げていた。
「みんな先行っていて」
それを耳にした彼ら彼女らは言われた通りに先を歩き出す。
車から一人の男性が降りてきて…
その男性は僕らのバイト先の先輩だった。
彼らは何やら話をしているようで…
僕は気付かれないように通り抜けようとして…
「おい。お前七星だろ?この高校だったんか?」
「お疲れ様です」
そんな言葉を残して逃げるように先に向かおうとして…
「待て。こっちこい」
凄まれてしまう僕は仕方なく彼らの下へと向かう。
「話あるから車乗れ」
「いや…」
「お前に拒否権とか無いから」
言われるままに僕は車に乗り込む。
陽キャグループの男子は開放されて標的は僕へと変更されるのであった。
次回。
どうなる七星…!
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