第2回カクヨム短歌・俳句コンテスト【短歌】二十首連作部門「いろいろないろ」

いろいろないろ

「本日（ほんじつ）の ラッキーカラーは 黄色（きいろ）です」たまごサンドは 黄色（きいろ）か白（しろ）か

小豆島（しょうどしま） からやってきた そうめんは 遠（とお）いところの 味（あじ）がしていた

その貫禄（かんろく） 館（やかた）の主（あるじ） かのような 黒猫（くろねこ）をみた 雨（あめ）の火曜日（かようび）

街（まち）の灯（ひ）が 消（き）えない世界（せかい）の 暗闇（くらやみ）に なりきれない夜（よる） 暇（ひま）そうな月（つき）

日曜日（にちようび） 君（きみ）にはやく 会（あ）いたくて かかとつぶした 青（あお）いスニーカー

母（はは）の日（ひ）に 紙（かみ）で作（つく）った 金（きん）メダル もっと上手（じょうず）に 作（つく）りたかった

トーストに たっぷりのせた いちごジャム 大（おお）きくひとくち ハッピーブランチ

名（な）も知（し）らぬ 寺（てら）の軒下（のきした） 雨（あま）やどり うなる曇天（どんてん） 葉（は）を揺（ゆ）らす雨（あめ）

色映（いろば）え無（な）し 茶色（ちゃいろ）の弁当（べんとう） 最高（さいこう）です ミートボールが 特（とく）に好（す）きです

湯船（ゆぶね）にて 身（み）に覚（おぼ）えのない 青（あお）たんを 軽（かる）く触（さわ）って 今日振（きょうふ）り返（かえ）る

夏（なつ）の京（きょう） 暑（あつ）さに歪（ゆが）む 河原町（かわらまち） 冷（ひ）やしあめマジ 神（かみ）の飲（の）みもの

東京（とうきょう）は 少（すこ）し苦手（にがて）と 君（きみ）は言（い）う 空（そら）がせまいと まぶしげに言（い）う

憧（あこが）れの シャネルの口紅（くちべに） ひいてみた 似合（にあ）わないでも 誇（ほこ）らしかった

好（す）きだった ハワイアンブルーの かき氷（ごおり） 私（わたし）にとって 夏（なつ）はあの色（いろ）

おりがみを ペタリとふたつ 三角（さんかく）に 小（ちい）さき爪（つめ）の 桜色（さくらいろ）かな

複雑（ふくざつ）で ほかのどこにも 属（ぞく）さない 群青（グンジョウ）という 色（いろ）の生（い）き方（かた）

気持（きも）ち悪（わる）い 耐（た）えきれないほど つらいのにどうして涙（なみだ）は透明（とうめい）なんだよ

アマガエル そのツヤツヤした キミドリを 見（み）るたび僕（ぼく）は 幸（しあわ）せになる

柴犬（しばいぬ）で その名（な）をタローと 言（い）いました 今日（きょう）まで生（い）きて くれてありがとう

白昼色（はくちゅうしょく） そう書（か）かれてた 丸電球（まるでんきゅう） 思（おも）っていたより 蒼（あお）めの昼（ひる）かな