【完結】影の囁き

第25話 裏切りの影

新たな影を一時的に封じ込めることに成功した一輝、藤本、葵の三人。しかし、部屋の奥から再び低い囁き声が聞こえ、次の試練が待ち受けていることを感じ取った。彼らは決意を新たにし、洋館のさらなる謎と恐怖に立ち向かう準備を始めた。

少女玲奈を加えた四人は、洋館の奥深くへと進んでいった。廊下は暗く冷たく、まるで時間が止まっているかのようだった。カサカサと足元に散らばる古い紙や布の音が響き渡る。

「ここには、もっと深い謎があるはずだ。」一輝は周囲を警戒しながら言った。

玲奈は怯えた表情を浮かべながらも、一輝たちについていった。「私の家族もこの洋館で呪われてしまったの。何とかして、この呪いを解きたい…」

「大丈夫、玲奈さん。私たちが必ず助ける。」葵は優しく言った。

突然、ギギギギという不気味な音が響き渡り、壁に亀裂が走った。部屋全体が揺れ、冷たい風が吹き込んできた。

「何かが近づいている…」藤本は警戒しながら言った。

その時、玲奈が突然藤本に向かって襲いかかった。彼女の目は赤く輝き、怒りに満ちていた。藤本は驚愕の表情で首を絞められ、苦しそうに息をついた。

「玲奈さん、何を…」葵は叫んだが、玲奈の力に圧倒されて動けなかった。

「これは…呪いの力だ…」一輝は冷静さを保ちながら、玲奈を引き離そうとした。

ガシャーンとガラスが割れる音が響き渡り、部屋の中に異様な緊張感が走った。藤本は必死に抵抗しながらも、玲奈の力に圧倒されていた。

「助けて…」藤本はかすれた声で言った。

一輝は力を振り絞り、玲奈を引き離すことに成功した。しかし、玲奈は再び襲いかかろうとした。その時、玲奈の目から涙が流れ、彼女は突然我に返ったかのようにその場に崩れ落ちた。

「ごめんなさい…私は…」玲奈は震える声で言った。「私は操られていた…」

藤本は息を整えながら立ち上がった。「大丈夫だ、玲奈さん。君のせいじゃない。」

「この呪いは、私たち全員を襲おうとしている。」一輝は冷静に言った。「私たちはこの呪いを解かなければならない。」

玲奈は涙を拭いながら頷いた。「私も手伝う。私の家族のためにも…」

一輝たちは再び決意を固め、洋館のさらなる謎と恐怖に立ち向かう準備を始めた。しかし、彼らが次に何を発見するのか、どれほどの危険が待ち受けているのかは、まだ誰も知らない…。