第24話 謎の少女

新たな影を一時的に封じ込めることに成功した一輝、藤本、葵の三人。しかし、部屋の奥から再び低い囁き声が聞こえ、次の試練が待ち受けていることを感じ取った。彼らは決意を新たにし、洋館のさらなる謎と恐怖に立ち向かう準備を始めた。


洋館の古びた廊下を進む一輝たちは、暗闇の中に潜む何かの気配を感じ取っていた。壁に掛けられた古い絵画は、一つ一つが不気味な表情を浮かべているように見えた。


「この先に何があるのか…」一輝は警戒心を高めながら言った。


「何か重要な手がかりがあるはずだ。」藤本は呪文書を手に取り、慎重に読み進めた。


突然、カタンという音が背後から響いた。一輝たちは一斉に振り向いたが、何も見えなかった。ただ、冷たい風が吹き抜け、廊下の奥から薄暗い光が漏れていた。


「この洋館にはまだ秘密があるみたいだ。」葵は静かに呟いた。


三人は光の方向へと進み、古い扉を見つけた。扉を開けると、広い部屋が広がり、中央には大きな石の台が置かれていた。その台の上には奇妙な模様が刻まれており、異様な雰囲気を放っていた。


「ここが…次の場所か。」一輝は呟いた。


その時、部屋の隅から小さな影が動いた。三人はその影に目を凝らした。そこには怯えた表情を浮かべた少女が立っていた。彼女はぼろぼろの服を着ており、その目には涙が浮かんでいた。


「誰…あなたは?」葵は優しい声で尋ねた。


少女は震える声で答えた。「私は…玲奈。この洋館に囚われているんです。助けて…」


「囚われている?」一輝は驚いた表情で問い返した。「君の名前は?」


「玲奈です。」少女は涙を拭いながら答えた。「私の家族はこの洋館で呪われてしまったの。私は逃げ出そうとしたけれど、ここに閉じ込められてしまった。」


藤本は少女の話に耳を傾けながら、古代の文字を再び読み解こうとした。「この呪文書には、玲奈さんの家族に関する記述もあるかもしれない。」


「私たちが君を助ける。」一輝は決意を込めて言った。「この洋館の呪いを解くために、全力を尽くそう。」


その時、再びギギギギという不気味な音が響き渡り、部屋全体が激しく揺れ始めた。影は再び姿を現し、強力な風が彼らの体を襲った。


「この影を倒さなければ、玲奈を助けることはできない…」藤本は冷静に言った。「みんな、準備はいいか?」


一輝、葵、そして玲奈も力を合わせ、新たな恐怖に立ち向かう準備を始めた。彼らは一丸となって影に立ち向かい、洋館のさらなる謎と恐怖に挑むのだった。

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