第17話 最深部の対峙

佐々木一輝、藤本蓮、小川葵の三人は、遺跡の最深部へと続く階段を下りていった。階段の先には、さらに強い悪臭が漂い、冷たい風が吹き込んできた。青い光が一層強くなり、囁き声が一段と大きくなってきた。


階段を降りきると、広大な地下空間が広がっていた。中央には古びた石の台があり、その周囲には奇妙な紋様が描かれていた。藤本は息を切らしながらその光景を見つめた。「ここが…最深部だ。ここに道具があるはずだ。」


一輝と葵は藤本を支えながら、石の台へと近づいた。石の台には古代の文字が刻まれており、強烈な青い光がそれを照らしていた。一輝はその文字を読み取ろうとしたが、突然、背後から冷たい風が吹きつけた。


「何かが…ここにいる…」葵は震える声で言った。彼女の霊感が強烈な警告を発していた。


その瞬間、部屋の隅から巨大な影が現れた。影はまるで生き物のように蠢き、一輝たちを取り囲もうとしていた。「守護霊だ…」藤本は苦しそうに呟いた。「この霊を倒さなければ、道具を手に入れることはできない…」


守護霊は一輝たちに向かって吠え、猛烈な力で攻撃を仕掛けてきた。一輝は冷静さを保ちながら、呪文を唱え始めた。「葵さん、藤本さん、しっかりしてください。私たちでこの霊を倒しましょう!」


葵は苦しみながらも、一輝の指示に従って呪文を唱え始めた。その時、守護霊の攻撃が彼女に直撃し、葵は再び血を吐いた。彼女の顔はさらに青白くなり、息も荒くなった。


「葵さん、しっかり!」一輝は必死に彼女を支えながら、呪文を続けた。藤本もまた、全力で呪文を唱え続けた。


守護霊は一輝たちに近づくにつれ、悪臭が一層強くなった。まるで腐った肉と腐敗した植物が混ざり合ったようなその匂いは、鼻腔を刺し、彼らの意識を朦朧とさせた。


「この霊を倒すためには、私たちの力を合わせなければならない…」藤本は息を切らしながら言った。「全員で呪文を唱えるんだ!」


一輝、葵、藤本の三人は全力で呪文を唱え続けた。青い光がさらに強くなり、守護霊は次第にその力を失っていくようだった。突然、守護霊は一際大きな叫び声を上げ、光の中で消えていった。


静寂が戻り、一輝たちは肩で息をしながらその場に倒れ込んだ。青い光が消え、部屋は再び静寂に包まれた。


「これで…終わったのか…」一輝は息を整えながら呟いた。


「いや、まだだ…」藤本は弱々しく言った。「まだ道具を見つけなければならない…」


一輝は立ち上がり、石の台に近づいた。そこには、古びた巻物と奇妙な道具が置かれていた。「これが…呪いを解くための道具か…」


葵は弱々しく微笑みながら言った。「私たちはここまで来た。これで呪いを解くことができる…」


一輝は決意を新たにし、道具を手に取り、呪文の巻物を開いた。次なる儀式の準備を整えながら、彼らは再び立ち上がり、次なる挑戦に向けて歩みを進めた。

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