第11話 最終決戦

佐々木一輝と霊媒師の斎藤真紀は、屋敷の奥深くで悪霊の源を発見し、最後の戦いに挑む決意を固めた。青い光が消えた後、部屋は一時的な静寂に包まれたが、耳元には再び囁き声が響いていた。


一輝は恐怖と不安に包まれながらも、真紀と共に戦う決意を新たにした。「何かがまだ残っている…」一輝はそう呟きながら、真紀の隣に立った。


「一輝さん、ここが最後の戦いの場よ。全力を尽くして呪文を唱え続けて。」真紀は決然とした表情で言った。彼女は巻物を広げ、呪文を唱え始めた。部屋の中で影が再び揺れ動き、青い光が薄暗い中で輝きを放った。


突然、部屋の温度が急激に下がり、冷たい風が一輝と真紀を包み込んだ。鳥肌が立つ冷たさとともに、腐敗臭が一層強くなり、まるで死の匂いが漂っているかのようだった。一輝はその匂いに耐えながら、真紀の指示に従って呪文を唱え続けた。


その時、一輝は見えない力が胸を押しつぶすような圧迫感を感じた。彼は息苦しさに耐えながらも、呪文を唱えることを止めなかった。真紀の声が一層強く響き渡り、青い光が部屋全体を照らし始めた。


「さあ、一輝さん、もう少しよ!」真紀は叫びながら、さらに呪文を唱えた。その瞬間、部屋の中央に巨大な影が現れ、悪霊の姿が浮かび上がった。悪霊は怒りに満ちた表情で、一輝と真紀に向かって吠えた。


「これが最後だ!」一輝は全力を振り絞り、呪文を続けた。青い光が強烈な閃光となり、悪霊を包み込んだ。悪霊は激しく抵抗しようとしたが、真紀の力強い呪文に押しつぶされ、次第に力を失っていった。


その瞬間、部屋全体が激しく震え、冷たい風が一層強く吹きつけた。腐敗臭と鉄臭い血の匂いが一層強まり、一輝の鼻を突き刺した。しかし、彼は最後の力を振り絞り、呪文を唱え続けた。


ついに、悪霊の姿が光の中で消え去り、部屋は再び静寂に包まれた。青い光も消え、一輝と真紀は倒れ込むようにその場に座り込んだ。冷たい汗が額を伝い、二人はしばらくの間、静寂の中で息を整えた。


「やったわ、一輝さん…」真紀は疲れ果てた声で言った。「悪霊は完全に封じ込められた。」


「本当に…これで終わったのか…」一輝はまだ半信半疑のまま、部屋の中を見渡した。全てが静まり返り、異常な現象は消え去っていた。


「そうよ、もう大丈夫…」真紀は微笑みながら言った。「この屋敷はもう安全よ。」


一輝は深く息をつき、真紀の手を握りしめた。「ありがとう、真紀さん。あなたのおかげでここまで来られた。」


真紀は微笑み返し、二人は疲れた体を支え合いながら、屋敷を後にした。冷たい夜風が彼らの顔に触れ、静かな夜空に星が輝いていた。

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