一流の法則

仕事柄もあって飲んだり食べたりが好きである。


特に結構独りメシが好きである。


たまに出張をした際にも例に漏れず、ふらふらと現地の美味しいお店を独りで訪れるためには努力を惜しまなかったりする。


ちなみに誰かとお話しながら食事をすれば、もちろんコミュニケーションが生まれるし、そこでしか知り得ない情報があったりして、時には良いなあともちろん常々思う。


その一方で「孤独のグルメ」の井之頭五郎ではないけれど、自分の「腹の声」に従って食べるのが一番美味しく感じることには抗えない。


また食事以前の「さ、今日何食べよか?」の意見合わせが煩わしいし、メシ食ったらさっさと仕事したい、、


と感じてしまう基本的にマイペースな人間なもので、出張せず事務所にいてお昼ご飯を食べる時も、ぬるっと独りでご飯を食べに行くことが多い。


以前は周りに合わせてみんなで昼ごはんに行っていたけれど、私が「ソロメシスト」である認知が深まると特に自分も周りも何も思わなくなってきている気がするので気楽なものだ。


それはさておき先日、長野県に出張した時のこと。


昼すぎのアポイントであったのだが、わざわざ早起きして待ち合わせ時刻の1時間以上前に到着。


もちろん目的は例に漏れず「独りご飯」を楽しむこと。


調べたところ、食べログ100名店に入っている、とんかつ屋さんがあるらしい。


腹の声も盛大な「TONKATSUコール」が鳴り止まないということで早速入店。


そこで頼んだのはロースカツ定食。


肉は絶妙な火入れ。

結構分厚いのに、肉汁ぶわーで柔らかい。

低温でじっくり揚げているからかなあ。


塩が3種類もあったのでちょこちょこつけたり、ソースをつけてみたりで美味しくいただきました。


どうやらご主人はどこかの有名なお店で修行を積まれた方らしく、要は「一流」の仕事をしてきたお方なのであろう。


というのもとんかつ自体の美味しさもさることながら、ちょこっとついてくるぬか漬けとお味噌汁がものすごく美味しかったので。


私は「一流」と凡人の違いって、自身の目の届く範囲が届くところが広く、さらには見える限りは心を配るという圧倒的なこだわりだと思っている。



もっと卑近な例でいえば。


一流とまでいかなくても「美味しいお店」ではメインではなくてサイドメニューが美味しい。


たとえばラーメン屋であればセットメニューのライスが「カピカピ」なお店はたいてい、ラーメン自体も美味しくない。

そして、たいていお店自体になんとなく清潔感がなかったり、店員さんの感じが悪かったり。


逆にちょっとした気配りのできる飲食店って、たいていどの店員さんも感じが良くて料理も美味しいところが多い。


このとんかつ屋さんも、とても丁寧な接客をしていただきました。


神は細部に宿る、ってよく言われるけれどまさしくその通り。

細部にまで気を配れるということは、そこに対するこだわりと配慮があるわけで。


そう言う人が一流と言われる人なのだろな。


って思いながら、おかわりキャベツをお願いした凡人の夏の日。




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