言の葉

手のひらのシワとシワを合わせて幸せ。なーむー。」って言うCMがあったけれど。


日本人なら自然にこのポーズをしてしまうことがある。

このお仏壇のCMのように法事の時はもちろんだが、お願い事をするときやご飯を食べる前の「いただきます」またはご飯を食べた後の「ご馳走様」でも使ったり。


あまり深く考えたことがなかったのだけれど、欧米人はこのポーズはしないような、と思ったら元々はこれはインドからきたものであるらしい。


英語のHello、イタリア語のciaoのようにインド人は挨拶に「ナマステ」と言う言葉をつかう。

その際に使用されるポーズであるそうな。


ちなみにナマステはnamas-teと分解でき、namasは「敬う」と言う意味がありteは「あなた」という意味だそうだ。

さらに言うと南無阿弥陀の「ナム」はこれが由来である。


その「ナマステ」の際に「合掌」をするのだが、元来インドでは右手は陽、左手は陰すなわち不浄としており、その対立する要素を合わせることで安定をはかる意味もあるらしい。


「いただきます」というのも「生命をいただきます」というのが元々の由来であり、その言葉と共にに合掌=ナマステつまり「感謝」というルーツが残っていて。


普段何気なくしている仕草や言葉に実は深い意味があるんだなって。


これは、法事の説法でお坊さんから聞いたお話なんですが。

なんとなく心に響いた。


そんな言葉に関連し、最近半分趣味でイタリア語をちょこちょこ勉強していてふと気づいたこと。


イタリア語の「おはよう」は「ボンジョルノ」。

これくらいの単語はイタリア語の勉強をする前から流石に知っていたけれど、スペルを改めて見てみると「buon giorno」であることに気づく。


単純に日本語訳なら「良い日」。

英語の「good morning」とニュアンスは近いんだろなと思う。


まあヨーロッパの言語はすごく雑にカテゴライズすると、どれも方言みたいなもんなので意味合いは似ているのかもしれないけれど。


一方で日本語では「おはようございます」


これは「(朝も)お早くからご苦労様でございます」


と言うねぎらいの言葉が起源であるらしい。


なんだかあいさつひとつとっても、アングロサクソン系のオープンな感じと、日本人らしい気遣いのマインドが出ていて面白いなと。


そう書いていて、ふと思ったのだが、外国人はとても自然に「Thank you」を使うなといつも思う。


日本語だと、「ありがとう」なのだけれど、日本国内で日本語で表現すると「スミマセン」と表現する場合が多いような。


特に、何かをしてもらったときに「スミマセン」と言うなあと。

もちろん自分もそうなのですけれど。

日本人同士であれば、そのスミマセンは「〇〇をしていただいてありがとうございます。恐縮です、スミマセン」なのだとわかるのけれど


この「スミマセン」を外国人に意味合いを伝えるのってなんだか難しい気がする。


一方で、ときどき日本人でも、そういう時に「ありがとう」って「自然に」言っている人がいる。


自分も、自然に「ありがとう」を使える粋な男になりたいなあって思うんだけれど。


ちょっと照れ臭いなあ、と思うのは

自分が純日本人だからなんだろな。

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