「二章」第三話 悲劇

 「久しいな少年。二年ぶりか?」


 聞き覚えのある声。

できることなら、こいつには会いたくなかった。


「その様子だと、かなり腕を上げたみたいだな少年」


 男はゆっくりそういうと、森の奥からぞろぞろと出てくる魔物達を背に、こちらへ剣を向ける。


「やっぱり、あなただったのねフレン」


 少女は男を睨む。

男は剣を握りなおすと、僕の方を向き、恐ろしい声で言う。


「オーブを守って見せろ……」


 一瞬だった。

僕は全身が斬られる激しい痛みと共に、腹部へと刺された大剣を見る。


「上達したとはいえ、スピードはまだまだだな……もっと強くなれ」

 男のその言葉を聞いた直後、僕は意識を失った。

                                   つづく


~あとがき~

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