第8話 絶望
もう走れる気がしない。
足がひどく痛む。
それでも痛みに耐えながらも僕は走り続ける。
いやな予感がした。
父の真剣な顔に、鎧の男。
村で何かが起こっているんじゃないか? 考えたくもないことを考えてしまう。
余計なことを振り払い森を抜けると、僕は目の前の現実を受け止められなくなる。
「そ、草原が……」
草原にはさっきまでいた羊や牛の姿は見られず、代わりにたくさんの魔物が村へ向かって進んでいるのが見られた。
「嘘、だろ……なんで、魔物がこんなに……」
普段姿を現さない魔物が数えきれないほどたくさんいる。
そんな中でも僕は怖気づいて剣を持つことができなかった……
「どうして、僕は……」
悔しかった。
あまりにも弱い自分に……
草原にいる魔物は一番弱いゴブリン。
だが、それでも数が多すぎる。
「一人じゃ、とてもじゃないけど勝てない……」
絶望的な状況、僕はいつの間にか右肩に乗っていた妖精を見て思いつく。
「そうだ、絆を結べば……」
僕は一つの可能性にかけて多少無理やりだったが妖精と手を合わせる。
が、残念なことに何も起こらない。
何度手を合わせてもだ。
「そんな……ダメ、なのか? 僕じゃ、この妖精とは……」
地面に倒れこむ。
たった一つの可能性は、悔しくもかなわなかった。
頭がくるってしまったのかもしれない。
そう思うしかなかった。
だって、僕の手にはなぜか長剣があったからだ。
「どれだけ僕が戦っても、意味がないのはわかる。でも、それでも、助けたい。この体が、僕が、どうなっても……」
剣を右手に持つと、僕は深く息を吸って草原へ走る。
「やれるところまで、やるんだ……」
つづく
~あとがき~
急いで見直したので、うまく修正できてるかわかりません。
なので、アドバイスを頂けると嬉しいです。
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