第7話 悔やみ~父視点~
「フレン、ルビーに何をした……」
フレン、そう呼ばれるのはこの鎧の男のことだ。
俺はフレンからの攻撃を避けると、後ろへと下がる。
「彼は、少年は”勇者”だ……」
その言葉を聞いて息をのむ。
「ルビーが、あいつが、勇者、だと? ま、まさか……」
驚きのあまり力が抜ける。
勇者、それは神に選ばれし者だけが得られる称号のこと。
そして、勇者は皆、虹色に輝く妖精と絆を結ぶ。
だが、それはおとぎ話。
「そんなはずは……」
「いや、私は確かに見た。だからこそ、消さなければならないのだ……」
そういいながら剣を持ち直し、フレンは一瞬にして目の前に現われ、剣を勢いよく振り下ろす。
「クッ……」
何とか剣を盾にし、攻撃を防げたが、追撃のけりを直に受け、地面に倒れる。
「力が、出ない……」
「どうした? グレイド、お前はそんなに弱くはなかったはずだ……」
俺を見て失望したかのようにそういうと、フレンは剣をこちらに向ける。
「さよならだ、グレイド」
勢いよく剣を振り下ろされる。
…………
今までの思い出が、頭の中で流れる。
「走馬灯、か……」
あふれる記憶の中、俺は涙が出る。
もともと、俺とフレンは一緒に冒険者として旅をしていたんだ。
はじめは、全然お金もなくて、喧嘩ばっかして。
でも、また一緒になって……
そういえば、街に大量の魔物が現われたときもあったな。
あの時、俺は間違えたんだ……
大量の魔物をフレンと協力して倒した。
でも、その時街の人に感謝の言葉をもらったのは俺だけ。
あいつは、フレンは、街のみんなから邪魔者扱いされて、俺は、浮かれていて……
気づいたときにはもう、あいつは俺の前からいなくなっていた……
どうして、俺は……
…………
「ごめんな、フレン……」
つづく
~あとがき~
今回も自信がないので、結構厳しめに見てくれると嬉しいです。
また、面白かったら応援、星お願いします!!
さあ、これからルビー君はどうなるんでしょうか???
次回もお楽しみに~
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