第5話 虹色の妖精 修正版


 谷の中にはたくさんの妖精がふわふわと飛び回っている。


僕に気が付くと、妖精達は一か所に集まり、ジロジロとこちらを見る。


 初めて見る妖精は、思っていたよりも小さかった。

人間の手のひらと同じぐらいの大きさ。


 見たところ妖精は背中に蝶のような羽が生えていたり、大きさ以外なら人間と全く変わらない。


 妖精と絆を結ぶには、お互いがお互いを信じられる者同士が手を合わせること。

そうすれば絆を結べるらしい。


「そう言ってもな、どんな妖精が信じられるかなんてわかんない」

困った。


 妖精は一度絆を結べば一生のパートナーになる。

だからこそ、僕は真剣に考える。


 地面に座り、頭を抱え悩んでいると、僕はある一匹の妖精に目が留まった。


一匹だけ、他とは何かが違った。

神々しい何かが。

それはまるで、虹色に輝くオーラのようだった。


 自然と体が妖精へ近づく。

妖精もまた、僕の方へと近寄る。


 そして、僕の手と妖精の手が重なり合おうとした。

その時、何者かの手によって、僕と妖精の間に大剣が地面に突き刺ささった。

妖精も僕も驚き、その場から動けなくなる。


「父さんのとは違う大剣!?」

謎の攻撃に僕は長剣を手に持つと、辺りを警戒する。


「だ、誰だ!?」

緊張の中、僕は叫ぶ。


すると森の奥から、漆黒の鎧を纏った男が姿を見せた。

「少年、その妖精を渡してくれないか?」

 声からするに男だろう。


 男はいきなりそういうと、こちらへどんどんと近づく。


 恐怖で足が震える。

「足が震えてるな。少年、俺はお前を殺したくはない。早く、その妖精を渡せ……」

 男はそういって僕に手を向ける。


 今この妖精を渡せば僕は生き延びることができるかもしれない……

でも、それでも僕は……

震える足を手で押さえ、柄を握りなおすと僕は恐怖の中叫ぶ。


「この妖精は、お前なんかに渡さない! どんな目的があるかはわからない。でも、絶対にこの妖精だけは守り切る」


 周りにいたほかの妖精は森の奥から僕らを見つめる。


「そうか……君は勇気を持っているな、少年。だが、相手を間違えた」 

 男は大きくため息をつくと、ポーチから小さなナイフを取り出し、さっきまでとは違う、心臓を鷲掴みにするような恐ろしい声を発した。



「ならば、死ね……」

                                   つづく


~あとがき~

「東の国の勇者」第五話修正しました!

皆様に着目していただきたいのは鎧の男!

今後どうなるかは、お楽しみに~

もし、アドバイス等がありましたら、教えていただけると今後につながります。

僕はこの小説を一番の小説にしたいので、アドバイスお願いします!!

また、面白かったら応援よろしくです!

                           では、また次の話で~

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る