第2話 謎の夢 修正版
朝食は簡単に作ったトーストだ。
村お手製のバターを塗って一口、二口と食べ進めていく。
一口かじるごとに口いっぱいに広がるバターの香り。
やはり村のバターはおいしい。
どんどんと食べ進め、トーストを食べ終えると父は僕に「早速行くか?」とバッグを取り出しながら聞いてくる。
そのしぐさを見て、多分妖精のことだろうと思い、僕は「わかった」とだけ伝えると、二階へ行き、荷物の準備をする。
突然だが、僕には母親がいない。
僕が生まれたときに病気でこの世を去ってしまったらしい。
正直それを知った時は哀しかった。
でも、一番つらいのは父だ。
そんなつらい経験をしてもなお父は僕のことを大切にして育ててくれる。
そんな父が、僕は大好きだ。
水とちょっとした携帯食料を持つと、僕は天気を確認するため部屋の窓を開ける。
「いい天気だ」
空には太陽が昇り、辺りを照らす。
心地の良い風と共に太陽が僕の顔を照らす。
「行くか」
荷物を持ち、部屋から出ようとしたその時、突然の立ち眩みにより僕は意識がなくなった。
………………
目が覚めると、僕は知らない場所にいた。
目の前にはフードを被った小さな少女が僕に優しく微笑む。
「起きた? いっぱい話したいんだけどね、時間がないから手短に終わらせるね。今君がやるべきことはただ一つ。死なないで」
突然のことに混乱する。
いきなり見たこともない場所にいて、知らない少女から「死ぬな」と言われるんだ。
訳が分からず、頭が働かない。
「ど、どういうこ……」
「もう時間がない。一刻も早くいかないと……とにかく、今は剣を持って行くんだ。必ず、必ず生き延びるんだ。いいね?」
僕の言葉をさえぎりそういうと、少女は右手で指を鳴らす。
すると僕の体は謎の光に包まれ、意識が朦朧とする。
少女は最後、僕に真剣な顔で「頑張って」そういうと、どこかへ消え、僕の意識もなくなった。
………………
気が付くと、僕は自分の部屋に戻っていた。
「よかった。お前までいなくなってしまったら、俺は……」
僕がなかなか降りてこないから心配して駆け付けてくれたのだろう。
気を失ったとき、何かを見た気がする。
だが、あまり思い出せない。
怖くて手が震えているが、安心してもらおうと僕は父の手を握る。
「大丈夫だよ。父さん」
それを聞き父はホッとした様子で僕をぎゅっと抱きしめる。
それからなんやかんやあって、僕たちは妖精の住む谷へ行くことにした。
父は心配していたが特に体に異常があるわけでもないし、今日行かなければ僕は妖精と絆を結ぶことができない。
荷物を持ち一階へ行くと、ガタイのいい父は背中に大剣を背負いながら待っていた。
僕も一応剣を持って行く。
あまり思い出せないのだが、気を失ったときに「剣を持っていけ」と言われた気がしたからだ。
さあ、出発だ。
つづく
~あとがき~
少し修正を加えました。
今までできていなかった点として、景色や主人公から見た建物などのことを描写する文章が書けていませんでした。
そこで自分なりに少し手を加えてみたんですが、どうでしょうか?
まだまだ初心者なのでわからないのですが、ほかにも直したほうがいいところ、こういう文章を入れたほうがいいなどのアドバイス等がありましたら、教えてください。
それではまた次の話で。
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