女が兼ねると嫌な予感
『成瀬は天下を取りにいく』第1話中心
女が兼ねると嫌な予感……
兼ねてからの嫌な予感が的中した。
成瀬は天下を取りにいく(以下:成瀬)は、
埼玉西武ライオンズとの関連がごく薄い。
(成瀬あかりのことは、ヒロインと断ることに)。
「この夏休みを西武に捧ぐ」とは
滋賀県の西武大津デパート閉店セールのことだった。
奥歯に挟まったネギのような感覚がずっとしていたので
本書を買い求めて真意を確かめたら、案の定、大きな勘違い。
成瀬は連続短編だが、2本読んだ読後感想点は「65点」だ。
本屋大賞受賞でハードルが上がり切っていたし
吾輩の勘違いのまま、がむしゃらに埼玉西武ライオンズを応援して欲しかった。
西武大津デパートの映り込み作戦には一応のリアリティがあった。
ごく数人の関心者、有象無象の無関心者。
当人は埼玉西武ライオンズのユニフォームを着て指定の場所に立つのだから、
録画した放送を観れば「これが私だよ!」と指差し出来る。
背番号「1」のKURIYAMA
背番号「3」のYAMAKAWA
この人選はとても均整が取れていていいと思う。
まるで高校球児のような背番号に、厳選されたスター選手。
現にヒロインの幼なじみが何気にチャンネルを合わせた西武戦で
背番号「1」は、投じられた初球を見事本塁打にしている。
サッカー部のあの人に似ている、背番号「1」.
(野球部じゃないのも、学園生活感が出ていて誉れ)。
芸能人の帯書きにあった「甘酸っぱくも」「エモくも」ない、という否定は
いい意味で本書を後押ししているような気がする。
ヒロインが女子力高めだったり、エモーショナルな一面が強いと
色々成立し辛くなる場面もあると思う。ここは慎重に引き算の場面。
天下を取りにいく物語のPLAYERを際立たたせるには
最高のお膳立てが出来ているような気がして来た。
ここまで褒めたら「+15点」?
基礎65点 追加点+15点かあ。うん、なかなかの高得点だ。
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