連作で勢いを増したら

連作で勢いを増したヒロインの……

『成瀬は天下を取りにいく』の続編『成瀬は信じた道をいく』を注文した。

在庫がなく、待機の時間に晴耕雨読だ。今年の梅雨は空梅雨なのか?


兼ねてから、読書熱が高まっている。

芥川賞受賞作品『おいしいごはんが食べられますように』

からは多くを学んだ。

本屋大賞受賞作品『成瀬は天下を取りにいく』

続刊『成瀬は信じた道をいく』

からも並々ならぬPOWERを感じる。

芥川賞は、若干眉唾物な印象を受けるが、

本屋大賞は、販売実績や、書店員さんの推薦あってのこと。

出版業界が全体になって「売れる/売れた一冊」に育てていく。


『成瀬』のヒロイン=成瀬あかりは、肉付け甲斐のある人物だ。

他者の視点から彼女を見詰め、炙り出して行く手法。

最終章は彼女自身が一人称になって

その魅力を遺憾なく発揮していく、という寸法。

ここまで来たら、もはや無双状態である。

「甘酸っぱく」「エモく」ないヒロインと噂の彼女だったが

雑味がない分、咄嗟の味付けには、いかようにも順応してくれる。


中盤から、彼女に惚れる人物も現れたりする(=西浦航一郎)。

他者からの熱い視線、ラヴコールが彼女の魅力にダイレクトに照射する結果に。


本文を直読みせずに、周辺情報で知識武装している最中だが

ヒロインの偉大さは嫌というほどよく理解出来た。

歴史年表のように積み上げていく野望の軌跡、

これが彼女の名刺となり、骨子となっていく。


等倍に成長して行くヒロイン:成瀬あかり。

人生語りは幼なじみの視点だけじゃない!

さまざまなVIEWから、彼女は観察され、羨望の眼差しで見詰められる。

持ち合わせたカリスマ性、十二分に発揮!

頭脳明晰故に、描く野望の行く末まで見えていそうな千里眼。

65点から始まった採点が嘘のように申し訳がない。

今世紀最高の一冊と出逢った心地。

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