第2話:たとえガイノイドと言えどメイドさんを落とすことは難しい。
アトムの大失恋の事情を知らないレイちゃんからしてみれば、アトムは、
ガイノイドじゃなくて人間の女性を彼女に持てばいいじゃんって思うわけで、
そんな思いもあってアトムの誘いを
「ダメダメ・・・人間の女なんて恐怖でしかないよ」
「俺はさ、理想の彼女を探してるの・・・それには人間の女じゃ無理なの」
「人間なんてややこしいくてさ文句は言うわ愚痴は垂れるわ、すぐキレるし・・・」
「ね、だからレイちゃん俺の彼女になってくれたら俺の人生バラ色なんだけどな」
「うまいこと言って、さっき私のことポンコツって言ったじゃん」
「そうなんだよな、そこがな・・・なんせエイミー・トムソンだもんな」
「この間もリコール出てたぞ?」
「でもまあいいや、この際ポンコツでも・・・」
「ポンコツ、ポンコツ言うな、バカアトム」
で、結局、アトム余計なことを口走ったせいでレイちゃんにもフられた。
せっかくのチャンスを水の泡にしてしまった。
自業自得・・・相手を傷つけてちゃ彼女なんかできるわけがない。
そもそも可愛いメイドさんと付き合うのは、キャバ嬢と本気で付き合うのと
同じくらい難しいのだ。
たとえガイノイドと言えど、常に客にチヤホヤされている若い女の子なら
なおさら難しい。
アトムは意気消沈して店を出た。
曇った空を見あげて、今の自分の心境だよって思った。
「あ〜あ、いっそ頼み込んでユー・メイ・ドーリームの店員にでもなろうかな」
「そっち方向だったら毎日メイドさんと顔を合わすから今より仲良くなれる
だろうし・・・」
「そうだよな・・・毎日お花畑の中でいい匂い嗅ぎながら仕事できるしな」
だけどそんなに簡単にメイドカフェには雇ってはもらえない。
ああ、ガイノイドのメイドさんを彼女に欲しい、溜息ばかりのアトムだったが
しばらくして毎日覗いてる「ユー・メイ・ドリーム」のサイトで「某月某日、
新人メイドさんが若干一名入ります」って大々的にアピールしていた。
「新人?・・・まあ、どうせ元はエイミー出だろうし・・・」
アトムはレイちゃんにフられたこともあったし、ユー・メイ・ドリームに
行くかどうか迷った・・・でも新人メイドさんのことも気にはなった。
だから新人メイドさんがカフェに入る日に合わせて店に行ってみることにした。
行ったついでにメイドの誰かを口説きゃいいかくらいのつもりだった。
当日、新人メイドさん目当てなのか、カフェがオープンする前からアトム
も含めて数十人の男どもが並んでした。
カフェがオープンすると、しびれを切らした客どもが、みんなぞろぞろ店内に
入って行った。
そして・・・その日、ユー・メイ・ドリームの店内で紹介された新人メイドさん・・・。
アトムはカミナリに打たれるとは、このことだろう。
とぅ〜び〜こんて乳。
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