第10話 2階層でスライムに出くわす

 俺ことダークラムとモッツァレンドは洞窟内を進んでいった。


 もちろん洞窟内は暗くて何も見えないので、俺のおでこにある機能で明かりをともしながら進んでいる。


 だが、目的の一つである魔物討伐をしたくてうずうずしているのだが、魔物は姿を全く見せない。


 そのため、一匹も討伐出来ずにいた。


 

 「魔物が一匹も出ないぞ。討伐したくてしょうがないというのに‥‥‥」


 俺は討伐したくてうずうずしていた。


 「もう少し進めば魔物が現れるかもしれません。落ち着いきながら進むのがよろしいかと‥‥‥!?」


 モッツァレンドは落ち着くように俺に促してきた。


 「確かにモッツァレンドの言う通りだな。少しいきり立っていた。落ち着いて進んでいくとしよう!!」


 俺は指摘を受けて冷静になり落ち着きながら進むようにした。


 「それがよろしいかと!!」


 


 俺達は冷静な状態で洞窟内を進んでいった。


 洞窟内を向こうまで進むと、突き当りに段差が見えたのである。恐らくあの段差は階段と思われる。


 つまり、今までは1階層を歩いていたことになる。元居た世界のダンジョンゲームなどでは下にもぐるほど敵は強くなる。


 そのため、2階層に降りれば、魔物が出てくるのではないかと思い意欲を高めて階段を降りていった。


 階段は段差のある急な階段で降りる際には、一段一段注意しながら降りていく。


 (なんて急な階段なんだ‥‥‥しかも段差が多い‥‥‥1階降りるだけでも結構深くまで降りていくな‥‥‥!!)


 俺は、このダンジョンがどこまで深いのか興味がわいていた。


 

 その後、俺達はダンジョンを降りきった。


 目の前には、1階層と変わらない景色が細長く続いている。


 俺達はその細長い道を進んでいく。


 

 だいぶ進んでいき、洞窟の中腹まできただろうか。それでも、魔物は一切出てきてはいなかった。


 「こんなに進んだのに一匹も魔物がいないぞ! もしかしてこの洞窟内には魔物がいないんじゃないか‥‥‥!」



 そう思った矢先である。


 何やら、足音みたいなのが向こうの方から聞こえてきた。


 俺はモッツァレンドを見ていたが、物音が聞こえたのでそちらの方に振り向いた。


 

 すると、ゆらゆらとうごめく柔らかそうでなめらかな魔物が先の方にいたのである。

 

 その魔物はゼリーのようにプルプルしていた。


 俺は前世でゼリー状の魔物を見たことがある。


 「間違いないあれは、スライムだ!!」


 俺は自信をもって敵の正体を言った。


 すると、モッツァレンドは驚いた表情でこう言ってきた。


 「よく現れた魔物がスライムだと気づきましたね。どこでスライムのことを知ったのですか!?」


 モッツァレンドは何故知っているのか質問してきた。


 「いや‥‥‥前世であれに近いものを見たことがあるんだよ」


 もちろんゲーム内の話である。


 「ほう、前世にもスライムはいたのですね。でしたら倒し方もご存じですよね」


 「えっ‥‥‥倒す方法!? ただ、切り倒せばいいんじゃないか!?」


 俺はスライムの倒し方なんて知らなかったのでおどろいた。


 「何を言われます。スライムを倒すにはスライムの体内にある核を破壊しないといけないではないですか。そのようなことは常識ですぞ!!」


 「そうだったんだな。前世ではそのような倒し方ではなかったので、そんな倒し方をしないといけないのかと驚きを禁じ得ないぞ」


 「スライムの倒し方が違うのですか!! それは興味ぶかいですな」


 俺とモッツァレンドがそんな会話をしていると、スライムがこちらに近づいてきた。


 

 俺は魔物と戦いたくてうずうずしていたので、スライムは俺が倒すとモッツァレンドに言った。


 モッツァレンドは承諾し、俺の戦いをみさせてもらいますと言った。


 

 「ああ!! 俺の戦いぶりをその目に焼き付けてやるぜ!!」


 こうして、俺は前に出て行き、スライムに向かっていった。


 スライムも俺の存在に気づいたのか、体を大きくして威嚇してきたのである。


 俺は威嚇に一切動じずに進んでいき、近くまで向かった。


 すると、スライムが大きくした体を俺に覆いかぶさるように包みこもうとしてきた。


 「ダークラム様‥‥‥!!」


 モッツァレンドは心配して大声をあげた。


 「そんなに大声をあげなくてもいい」

 

 俺は、身につけているベルトを取り外すと、手に持った。


 手に持ったベルトは剣に変わったので、覆いかぶさりそうになったスライムを斬った。


 スライムの一部が細切れになった。


 それを見てモッツァレンドは非常に驚いている。


 「まさか‥‥‥あのスライムを細切れにするなんて‥‥‥」


 俺はなおも細切れに斬っていった。すると、奥の方に赤色に光る結晶のような石が見えた。


 「あれが核だな!!」


 俺は核と判断すると、スライムを細切れにしていき、核に近づいて行く。


 そして、核を手に持っている剣でぶっ刺した。


 核を刺されたスライムはゼリー状態を維持することができずその場に崩れ去ったのである。


 こうして、俺はスライムを退治した。


 

 「お見事ですダークラム様。まさか、スライムを細切れにするとは感嘆するばかりです」


 「な―――に当たり前のことをやっただけだ!!」


 そう言いながらも、俺は嬉しくてしょうがなかった。


 

 その後、スライムを討伐した俺達は先に進んでいったのである。

 


 


 

 


  


  

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