第8話 ダンジョンに向かう
俺ことダークラムは細長い洞窟を歩き、やがて外にでた。
洞窟内とは違い、外は太陽の光が差し込むため、とてもまぶしく俺は一瞬目を覆うとした。
その際、俺の配下のモッツァレンドが焦った顔をしながら俺の元に駆け寄ってくる。
「ダークラム様‥‥‥ご無事で何よりです。どこかお怪我などはありませんか‥‥‥」
「心配してくれてすまないなモッツァレンド。な―――に、この通りどこもけがなどしていない」
俺は鋼鉄の身体をモッツァレンドに見せたのである。
それを見たモッツァレンドは怪我がどこにもないことを確認すると、安心したのか表情が柔らかくなっていた。
「怪我がなく何よりにございます。しかも、その様子だとゴブリンどもをせん滅されたのですな」
俺がいう前に、ゴブリンどもをせん滅したことをモッツァレンドは口にした。
「ああ、その通りだ。ゴブリンどもは全員この俺が駆除した」
すると、モッツァレンドは喜びながら俺にこういった。
「それはおめでとうございます。やはりダークラム様はお強かったのです!!」
「うむ。そう言ってくれると嬉しきかぎりだ」
俺は褒められて嬉しくなり後頭部を手でさすっていた。
二人は話を終えると互いに高笑いしていたのである。
その高笑いしている二人の元に、ジレント共和国の村人が寄ってきた。
「本当にゴブリンどもを倒してくださったのですか!?」
村人は確かめるように聞いてきた。
「ああ、全員せん滅した。もうこれでゴブリンどもに悩む必要はない」
「ほ‥‥‥ほんとうにゴブリンをせん滅してくれたんですね。もうこれでゴブリンどもに困らずにすむんですね‥‥‥」
「うむ。これからは安心して過ごすといい」
すると、村人は目から涙をぽろぽろと流していたのである。その涙は嬉しさからきたものであることはすぐにわかった。
「ほ‥‥‥本当に、ありがとうございます。これでおれらはゴブリンに苦しまずに済みます。本当に‥‥‥本当にありがとうございます」
何度も何度も村人は泣きながら会釈をしていた。
「うん。そおれだけ多く感謝の言葉をいただいて俺も嬉しいぞ」
俺は何度も感謝され笑顔になっていた。
すると、村人は目をこすり涙を拭き、正面を見据え俺をみたのである。
「あなた様には感謝のしようがございません。なにかお礼をさせてください」
お礼か‥‥‥でも、お礼と言っても特にこれと言ってほしいものは‥‥‥その時だった、お礼にあることを聞こうと思い立つ。
「そうだな。だったら‥‥‥もし知っているのならダンジョンの場所を俺に教えてはくれないか!?」
俺は興味のあるダンジョンの場所を村人に尋ねた。
「ダンジョンですか‥‥‥でしたらこの山を一つ越えたところにダンジョンの洞穴がありますよ」
「それは本当か」
俺は喜びながら村人に聞いた。
「はい。本当です!!」
俺の喜びようを見て一瞬、村人は戸惑いを見せる。
戸惑っているのは村人だけではない。モッツァレンドも困った表情をしている。
「ダークラム様おやめください。ダンジョンは危険にございます」
「だが、実力を試すにはいい機会ではないか。ダンジョンに挑戦させてくれ」
「し‥‥‥しかし‥‥‥‥‥‥」
モッツァレンドは戸惑いの表情を見せながらも何か諦めた表情もしていた。
「わかりました‥‥‥でしたら、ダンジョンのお供をさせていただきます」
「えっ!!」
俺は驚いた。
「大首領様を一人でダンジョンに挑戦させるわけにはいきません。私も同行します」
かたくなにお供するとモッツァレンドはいう。
「はあ‥‥‥わかった。では一緒にダンジョンに挑戦するぞ」
「はっ!! 必ずやダークラム様に貢献いたします」
こうして、俺はゴブリンどもをせん滅したことを報告し、ダンジョンに向かうことにした。
その後、俺とモッツァレンドはダンジョンのある洞窟に向かっていった。
村人はジレント共和国の村に帰っていったのである。
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