第5話 AI機能が搭載

 俺ことダークラムは、ジレント共和国の村に転移したのである。


 そして早速村人に聞き込みを始めた。


 「ダークラム様、あそこにいるものに聞き込みをしてみてはいかがですか!?」


 そういってモッツァレンドが指さしたのは畑仕事をしていた女性であった。


 俺もあの女性なら返事がもらえるかもと思い近づいて質問した。


 「こんにちは。今お話ししてもよろしいかな!?」


 あいさつしながら質問した。すると、「はい、こんにちは」といって女性がこちらの方に振り返ってきた。


 しかし、次の瞬間俺達の格好が恐ろしかったのかびくつきながら言った。


 「な‥‥‥なんでしょうか!? 私はあなたに何もしていませんが‥‥‥!?」


 「いや何、私は別にあなたに何かするわけではない。ただ、この村のことについて聞きたく質問したのだ!!」


 そういうと女性は落ち着きながら次のように言った。


 「そうだったのですね。この村は見ての通りのどかな狭い村です」


 「確かに見回してみてがのどかな感じがするな。私はこういう雰囲気の村はすきだが」


 「そういってくださると嬉しいです」


 女性は嬉しそうな表情をしていたのである。

 

 「あなたは畑をいじっているようだが、この村では、農業が盛んなのか!?」


 「はい。この村は山々に囲まれているため、豊富な水を養分とした農作物が人気です」

 

 「そうかでは一つ私にくれないか!!」

 

 「はっ‥‥‥ハイ分かりました」


 そういうと女性は生で食べれる農作物を探しに行った。


 「ダークラム様、どこぞのものが作ったかわからないものを食べてはなりませぬ」


 モッツァレンドは毒見をしていないのに食べるのはいけませんと注意した。


 「別にいいではないか。こんなのどかな村だ。まさか毒など盛らないだろう」


 「し‥‥‥しかし!!」


 モッツァレンドは俺の身を心配してさらに止めようとしていた。


 「大丈夫だ。それに俺の身体は鋼鉄でできている。ちょっとやそっとの毒でやられたりしないさ」

 

 俺とモッツァレンドが会話していると、畑仕事をしていた女性が農作物を持ってきた。


 おれはその持ってきたものを差し出されたので受け取り「ありがとう」と言って口だけマスクをずらしながら食べた。


 とてもみずみずしくておいしかった。


 「うむ。とてもおいしい」


 「そうですか。そういってくださるととても嬉しいです」


 女性は明るくなり喜んでいた。


 しかし、なにか私に頼みごとがあるのか次の瞬間ぎこちなくなった。


 「あ‥‥‥あの、食べ物を提供した代わりに私の願い事を聞いてはくれませんか!?」


 「うん、願い事とはなんだ」


 「ハイ。実はこの近くにいるゴブリンどもを駆除してほしいのです」


 どうやらこんなのどかな村にも厄介な敵はいるようだ。


 「ゴブリンの駆除とな」


 「はい。そのゴブリンどもは私の村をあらして、人を襲ったり、農作物を奪ったりとやりたい放題しているのです。あなた様は強そうだと思いましたので、お願いしました。引き受けてくれますか」


 女性は頼み事をすると礼をした。


 「ダークラム様、いけません。私たちは戦闘をしにきたのではありません!!」


 「だが、食品をいただいている。礼はしないといけない。それに自分の実力を試す良い機会だ。ゴブリンの駆除をやろう」

 

 俺がゴブリンの駆除をやると女性が「ありがとうございます」と言って礼をした。


 モッツァレンドは少々あきれた表情をしていた。


 

 「それで、ゴブリンどもの巣穴はしっているのか!?」

 

 「そのことに関しては兄が父が詳しいです。ですので、父に聞いてください」


 「ではあなたの父親はどこにいる!?」


 「家の中にいます。今連れてきますね」


 すると、女性は父親を呼びに行った。そして少しして父親が訪れた。


 「ほ‥‥‥本当にゴブリン退治をしてくれるんですか!?」


 「うむ。食品をもらった礼だ。ゴブリン退治を引き受けよう」


 「ありがとうございます。では早速ゴブリンの巣穴に案内します」


 そういうと、父親は家の中に入り支度をして出てきた。


 「では向かいましょう。あっそうだその前にゴブリン退治をしてくれることを皆に知ってもらわないと」


 すると男は大声で俺がゴブリンの駆除をすると言ったのである。それを聞きつけ多くの村人が訪れ歓声をあげていた。


 俺達は歓声をあげる村人に手を振りながら、男に付き従ってゴブリンの巣穴に向かった。


 1時間くらいだろうか山を登った。そして、景色を眺めるのにふさわしい場所に洞穴らしき場所を見つけたのである。 


 「あれが、ゴブリンどもが住処としている巣穴です」


 「そうかでは早速駆除に行こう」


 俺はすぐさま駆除に赴こうとした。


 「えっ‥‥‥もう駆除を行うのですか」


 「うむ。決めたらすぐに行動あるのみだ」

 

 「でしたら、私もお供します!!」


 モッツァレンドが俺に同行しようとした。


 「いや、実力を試したいので俺一人でやる。お前はそこで見ていてくれ!!」


 「そうですか‥‥‥」


 モッツァレンドはしょぼくれた。


 

 俺はそんなモッツァレンドをよそに洞窟内に入っていった。


 

 洞窟内はとても薄暗く魔物がすむなら絶好の場所と思えた。


 「くそ‥‥‥暗くて前が見えにくいな」


 すると突然脳内に言葉が聞こえた。


 (でしたら、わたしをお使いください!!)


 な‥‥‥何だこの声は!?


 (わたしはあなたに搭載されたAIです。あなた様の機能についてナビゲーションを行います。以後お見知りおきを)


 そういえば俺は改造人間だった。ナビゲーションの機能があってもおかしくはなかった。


 「では明るくする機能は備わっているか!?」


 (はいございます。明るくなれと思ってください)


 俺は明るくなれと思った。すると再び鋼鉄の身体になり、おでこにある丸い点から明かりが出ていたのである。


 「ほ‥‥‥本当にこんな機能が備わっているなんて‥‥‥」


 俺は正直に驚いた。


 

 (そればかりではありません。ベルトを触って抜いてみてください!!)


 言われるがまま、ベルトを触り抜いた。


 すると、ベルトが突然剣に変わったのである。


 俺は愕然と驚いたのであった。


 (お見事でございます。それを武器として扱ってください!!)


 

 これで俺は、ベルトを武器として扱えるようになった。


 (他の機能については後程説明します。まずはゴブリン退治頑張ってください)


 

 こうして俺はAIに少しだけ教わり、ゴブリン退治を始めようとしていた‥‥‥。

 

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