第3話 施設案内

 俺ことダークラムは、幹部との自己紹介を終え、儀式を行っていた恐ろしい雰囲気のある場所から出た。


 その後、他の場所を案内しますと言うのでモッツァレンドとヴァレンタインに案内してもらうことにした。


 「ダークラム様、他の場所は先ほどの場所とは違い恐ろしい見た目の場所とは違います。ですので、安心してついてきてください!!」


 モッツァレンドが俺のことを察してか安心させようと言葉をかけてくれた。

 

 でも、モッツァレンドの見た目は少しグロテスクだからそういわれてもな‥‥‥と思いながら通路を進んでいった。


 通路は、先ほどの場所と違い、明るく一直線にどこまでも続いていた。


 「モッツァレンドあなたの見た目はあれですから、そんなこと言ってもダークラム様は安心できません。でも、ダークラム様、モッツァレンドの言うことは本当ですわ。だから、安心してください!!」


 ヴァレンタインは明るい笑顔で自分に接してくれていた。その笑顔を見て俺は少しホッとしたのである。


 

 その後、ある程度進むと、モッツァレンドが手を差し出して紹介した。


 「ダークラム様、こちらは研究室になります。どうぞ中にお入りください!!」


 真っ先に研究室に案内されたのである。一番最初に案内するならもっと他にいい場所があるだろう!! と思いながら中に入った。


 研究室の中は、厳重そうな構造になっており、中に入ってすぐ何かのウィルスを持ち込んでないか検査をする。


 その後、進むと、天井からぶら下がるプラスチック製のものを払いのけ、ある一室に入った。


 その先には、さらにガラスで区切られており、中で研究員だと思われるものが怪しげな研究を行っていた。


 「ダークラム様、こちらでは日々、組織のためになる研究を行っております。例えば、一瞬で相手を死に至らしめれる毒ガスなどの研究も行っております」


 モッツァレンドが説明したためか物騒さがより一層高められた。


 「あ‥‥‥あの‥‥‥そんな研究を行っている場所の近くに来ても大丈夫なのか‥‥‥!?」


 俺は疑問に思い穏やかではない様子で聞いた。


 「ご安心くださいませ。あちらに見えるガラスで遮っているため、毒ガスがこちらに来ることはございません!!」


 説明を聞いて少し安心した。


 「それに、あなた様は、鋼鉄の身体でおおわれております。きっと毒ガスなどにはやられませんよ!!」


 ヴァレンタインはそういうと俺の身体に触ってきたのである。どういうわけか襲われた時と違い、鋼鉄の身体にはならなかった。


 「ふふ、鋼鉄の身体にはなられませんね。でも、素肌に触れて私は嬉しいです」


 そういうと、ヴァレンタインは顔を赤らめていたのである。その姿を見て少し俺はドキッとしたのである。


 「ともかくこれで研究室の案内は終わりです。次の部屋にご案内します!!」


 モッツァレンドは状況を正して、次の部屋に向かうと言ったのだ。


 俺達はこの厳重で恐ろし気な研究を行う部屋から出て、次の部屋へと向かった。


 

 明るく一直線にどこまでも続く廊下を少し歩いていると、再びモッツァレンドが手を差し出した。


 俺達はその差し出した部屋の中に入っていったのである。


 部屋の中は先ほどと打って変わり、様々な資料が本棚の中に入っていて、重厚感のある場所であった。


 「ここはどういった場所なのだ!?」

 

 「ここは、図書室となっております。さまざまな資料がございます。もし、欲しい知識があるときはこちらに伺ってください!!」

 

 なるほどここは図書室というわけか。ほしい知識があった時はここに寄ろう。


 そう決めた後、ここでの説明は以上で終わりなのかさっさと引き上げたのである。



 その後、再び廊下にでて、すぐ近くの部屋に入った。


 部屋の中は先ほどと同様、様々な資料がぎっしりしかもきれいに本棚の中に入っていた。


 でも、デスクの上には、資料だろうか積み上げられていた。


 「ここは私が日々、経営をきりもりしている場所ですので私が説明します」


 ヴァレンタインがここの部屋を説明するようだ。


 「こちらは、経営学の資料や、経営をきりもりするため、収益を計算したり、どのような経営戦略で進めていくか計画を練ったりする所となっております!!」 


 「なるほど」


 すると、ヴァレンタインは俺に近づき耳元でこうささやいた。


 「もしよろしければ経営のことに対して手取、足取り教えますよ」


 ヴァレンタインは色気を醸し出しながらにこやかにささやいた。


 俺はその色気にやられ再び顔を真っ赤にしたのである。


 「い‥‥‥いや、経営のことは全体的にお前に任す。俺が関わり合いになることではない」


 すると、ヴァレンタインはがっかりした表情をしながらいった。


 「そうですか! それはまことに残念です」


 その時だった。モッツァレンドがごほんと鳴らしてこういった。


 「もうそれぐらいでいいかなヴァレンタイン。ダークラム様もお困りの様子だから次の部屋の案内を行ってもよろしいか!?」


 「え‥‥‥ええ、構わないわよ!!」


 「ダークラム様もそれでよろしいですか」


 「うん。そうしてくれ」


 「かしこまりました。では、ひとまずこの部屋を出ましょう!!」


 こうして、俺達は経営をきりもりする部屋をでたのである。


 

 その後、俺は廊下を歩いて行き、しばらくして次の部屋に着いた。


 俺達はその部屋に入った。部屋の中は、奥行きのある広い食堂となっており、奥の方では、係員が食事の準備をしていたのである。


 準備していた食品の匂いを嗅ぐとおいしい香りがしたのでお腹がだんだんと減ってきた。


 「ダークラム様、ここは食堂となっております。ここで配下の者達は食事をとります。また、奥の方に見えるのは、料理部屋であり、あそこで日夜係員が食事の準備を行っております。とてもおいしいので後程お部屋にもっていきますね」


 どうやら自分の部屋があってそちらに料理を持っていくようである。あとで食べるのが待ちどおしい。


 「では、食堂と料理部屋の案内はこれでおしまいです。次の部屋に案内しますね」


 こうして食堂を出て、次の部屋に向かった。少しして次の部屋に到着した。


 

 部屋の中に入った。


 部屋の中は、薄暗く、多くの書物が無造作に置かれていた。なにやら気難しいことをなす部屋かと思った。


 「この部屋は戦略室となっております。周りの諸国に対してどのような戦略で対応するかを議論する場となっております!!」


 やはり、気難しいことを考える部屋のようだ。


 目の前に置かれてあるテーブルには、この世界の詳細な地図が置かれており、その上に小さい旗のようなものが置かれてあった。


 恐らく侵略活動や防衛の戦略に用いられているのだろう。


 「こちらの部屋でダークラム様の戦略を反映したりします。そのため、ダークラム様もこの部屋を利用すると思います。重要ですのでこの部屋のことは一番に覚えておいてください」


 「分かった」


 俺はなんとなく返事したがこれから戦略を組み立てていかないといけないのかと頭が朦朧としたのである。


 「では、これで作業部屋の案内は終わりです」


 それでは、次にダークラム様のお部屋を案内します。


 ようやく自分の部屋の案内かと思いながら部屋を出た。


 

 少しして、部屋の前に着いた。


 そして、ドアを開けたが、部屋の中には、開放的でくつろげそうな空間になっていた。


 大きなベットや、やわらかそうなソファー、長いテーブルなどが置かれていた。また、大きい窓からは暖かそうな光が差し込んでいた。


 とても良い部屋だなと思った。


 「では、我々はこれで退散します。どうぞこのお部屋でくつろいでください」


 そういって、モッツァレンドとヴァレンタインは去っていった。


 

 俺はこの部屋で少しの間だがくつろいだのである。

 

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