第2話 組織の幹部に会う
俺は斎藤御剣。ベランダから落ちて気が付いたら、きれいな女性によって異世界転移させられてしまった。
そして光が地上に降り注ぎ、俺は地面に降りた。俺は考える像のような格好で降りたのである。
俺は、降りた場所がどういうところなのか確認するために、正面を向いた。
降りた場所には、他を圧するような柱が何本もそびえ立っており、威厳を醸し出していた。
また、気味が悪い悪魔をかたどったような彫刻や鷹の彫刻なども見え、どことなく恐ろしく陰湿な雰囲気を出していた。
その恐ろしそうな場所に、フード付きの黒装束を着たもの達は間がないほどぎっしりつまりながら俺を取り囲むように立っていたたのだ。
(なんだ‥‥‥この連中は!?)
俺は取り囲んでいた者達が怪しすぎて、恐怖を感じたのか全身をおどおどさせていた。
すると、黒装束を身にまとった一人の者が俺に近づいてきたのである。
一歩一歩、相手が近づくたびに俺は恐怖していた。
そして、その男は俺に近づくと次のように言ってきたのである。
「よくぞ降臨なさってくださいました!! あなた様がいればわたくしどもに恐れる敵はありません!!」
降臨‥‥‥!? 俺のことか‥‥‥なぜこの目の前にいる者は俺をみて喜んでいるのかわからず俺はきょとんとしていた。
すると、喜んでいた者はかぶっていたフードをおろしたのである。その結果話しかけてきたものの顔が見えた。
その者の顔は虫が湧いて出たように線が顔にはびこっていて、気味が悪い。
すると、その者は自己紹介を始めてきたのだ。
「私は、この神殿を司るモッツァレンドと言います。これから、あなた様を導いていくものです。どうかお見知りおきを!!」
「ど‥‥‥どうも‥‥‥!!」
俺は固まっていたのかぎこちない態度で返事をした。
「できればあなた様のお名前を確認しておきたいのですが、教えていただいてもよろしいでしょうか!?」
「べ‥‥‥別に構いませんよ!? 俺の名前は‥‥‥」
自分の名前を言おうと思ったが、この名前だとこの場所にはあわないのでは‥‥‥と思い、その場でとっさに思いついた名前を言ってみた。
「お‥‥‥俺の名前は‥‥‥ヴィンセント・ダークラムだ!!」
俺はぎこちない感じでとっさに考えた名前を言った。変な名前ではないだろうと思っていったのだが‥‥‥‥‥‥。
「フハハハハハハハハハハ!!」
笑われていた。やはり変な名前だったのだろうか!?
しかし、モッツァレンドは意外にも、よさそうな表情をしていた。
「何といい名前ですか。さすがは我らを統括なされるお方。お名前もかっこいいですな」
そ‥‥‥そうかな‥‥‥とっさに考えた名前だから変な感じがするんだけどな‥‥‥。
そう思っているのもつかの間、モッツァレンドはこの場で何をしていたのか説明してきたのだ。
「ダークラム様、わたくしどもはあなたを降臨させるために、儀式を執り行いました。その儀式はいくらかの人や魔物を犠牲にするものでしたが、見事降臨なさっていただいたようで!!」
儀式‥‥‥やはり恐ろしい儀式を執り行っていたようで、人や魔物を犠牲にしたようである。
「そして、あなた様の足元には降臨する場所の印が施されております」
俺はそう言われ足元を確認した。確かに足元には六芒星が書かれてあった。
「あなた様を降臨するのは大変でしたが、やったかいがありました。しかし、降臨なされてどこか不自然な点はないでしょうか!?」
不自然な点なら山ほどあるがな!! とは思いつつも、変に言ったら怪しまれると思い威厳があるように返事した。
「別に不自然な点はないな。それより、俺はこれからどうしていけばいいのだ!?」
「我らを統括していただき、世界征服を成し遂げてもらいたいと思っております。されどひとまずは、我らのことを知っていただくことから始めていただければと‥‥‥」
統括‥‥‥世界征服だと‥‥‥俺はとんでもない発言の数々に内心驚いていた。
でも、悪の組織が好きな俺にとっては、世界征服というのはとても夢があるなとも思った。
とにかくひとまずは、この者達のことを知ることから始めようかと思い、この組織の幹部を紹介するように言った。
「では、この組織を動かしている幹部の者達を教えてくれるかな!!」
「はっ!! 分かりました」
すると、モッツァレンドは二人ほどを呼んだのである。恐らくこの者達が幹部だと思われる。
「この者達がこの組織を今まで共に動かしていた幹部の者です。それではこれより一人ずつ自己紹介をさせます!!」
「ウム。よろしく頼む」
俺は、特撮ヒーローで見ていた悪の組織のリーダーのような重厚感のある感じで話していた。
「では、まずは左にいるものから自己紹介を」
すると、左に並んでいた者がフードをおろしたのだ。
俺はその顔を見た。とてもきれいな顔立ちをした女性で、セミロングの髪型をしていた。さらに、口元を見ると歯の二本が尖っていたのである。
セクシーな雰囲気と危険な感じが漂っていた。
「私はドラキュラのヴァレンタインと言います。主にこの組織「ヴィクター」の経営をやっております。以後お見知りおきを!!」
ヴァレンタインは華麗に自己紹介を済ますと、一歩引いた。
すると、横にいるものが一歩前にでて、フードをおろした。
その者は、全身機械でできており図体はでかく、眼鏡をかけていた。どことなく知性を感じる。
「私はロボットのインテリアと言います。この組織内で、情報収集を行っております。以後お見知りおきください!!」
すると、インテリアは自己紹介を済まして、一歩引いたのである。
「これで幹部たちの自己紹介は終わりです。さて次はいかがなさいましょうか!?」
「そうだな‥‥‥」
言いかけた時だった‥‥‥黒装束を着ていた群衆の中から、突然一人が飛び出してきて、俺に襲い掛かってきたのである。
俺は突然のことで、慌てふためきながら驚いた表情をしていた。
すると、その者は剣を取り出して、俺を刺そうとしてきたのである。
観念して諦めかけた‥‥‥‥‥‥しかし、当たっても痛みを感じなかったのである。
俺は自分の胸部を見た。すると俺はスーツ姿になっており、スーツの内は黒い鋼鉄で分厚く、剣は刺されなかった。
手の先の方も見たが、鋼鉄の手甲になっていたのである。
俺は動揺したが‥‥‥目の前に敵がいるので倒すことを先決に考えた。
俺は、鋼鉄の手甲で相手を殴った。
相手は、剣でとっさにかばったようだったが、俺の鋼鉄の手甲は剣を破壊して、そのまま襲ってきたものを殴った。
殴られた者はあまりの痛みに耐えきれずその場に倒れたのである。
俺は圧倒的な力で相手を倒したが起きたことがいまだにわからず、唖然としたままその場に立ちすくしていた。
すると、幹部の者らが、「お見事でございます」と言って拍手しながらほめたたえてきた。
俺はその拍手で相手を倒したのを理解したのである。
そして、モッツァレンドは俺にこう言ってきた。
「お見事にございます。さすがはダークライ様でございます。そのお姿も凛々しくてお美しゅうございます。その姿が本当のお姿で‥‥‥!!」
すると、モッツァレンドはどこから出してきたのか鏡を差し出した。
俺は鏡で顔を見たのだが、目が蟲のような目をしていた。また触覚のようなものがおでこから生えており、口元も蟲の口みたいな見た目をしていたのである。
どことなく不気味でしかし美しいフォルムであった。
俺はその姿に見覚えがあった。特撮ヒーローものに出てくるような姿をしていたのだ。
俺はとっさに感想を漏らした。
「お‥‥‥俺は改造人間になってしまったのか!?」
不可解でありながらどこか興奮を隠せない俺だった。
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