狂気の歯車(棄てられの森へ)

Millefeuilleみるふぃーゆ削ぎをり脳を削ぎながら飛び散る血糊(夢見るは此処)


歯車のきりきりきりと矢印を外向きにしてmacthまっちgasolineがそりん


メインストリートのならず者たちは裳裾の影からつたかづら見ゆ


首の生る樹木いぶせき森に出で「此処よ」と気付く――我が首を見き


腐りかけの死体のはらわたかき裂きて赤き鍵出す脱出の鍵


天使天使、天使ら同じ服を着て同じ顔して森に吊るさる


棄てられの森には名無き花咲けり 異形の蟲らはその蕊に住む


大きなる断罪者てふあるじをり首吊りの庭の庭師兼任


おまけ


何も視るな(つき落とされし人の声「百年前の此処なり」)視るな


何も視るな(目を閉ぢたまま名前の二重線引け遅るな)視るな


何も視るな(黒猫達の舞踏會おもちゃは人骨その首)視るな


何も視るな(地下より革命歌のこゑ ピアノのキーが上がりて)視るな


何も視るな(くだりの坂道果てもなく地中を進み夕焼け)視るな

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