(死を)こいねがう夏

無数の手、壁面、手首、洞穴ほらあなで錆びたknifeないふぎて夏


果汁絞るように手首を絞ること。皮、脂肪、肉、血、血、血流れき。


森田童子「逆光線」

夏の日に寝そべりて聴け「逆光線」 「やさしく発狂」せるは禽獣きんじう


鬼哭きこくせるこゑ聞くときは夏の草、寝そべりて嗅げ 蒼穹さうきゅうの罪


「放っとくとどんどん伸びる」と沼地にて手首刈る時むぎわら帽子


異形なる者らの団居まどゐ あかあかと川で蛍を全て焼き捨つ


八月はちがつの陽光眩し 夏草に枯野を見たり 炎を見たり


Heliogabalusへりおがばるす、太陽のもと我々は己自身にを立つ夜明け


お地蔵さん、静かに静かに希死念慮きしねんりょ、発酵しをり熱した石で


人らみな誘蛾灯のすがたして注意経済。争へ人の子。

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