二度見はするが、三度見は許されない。
そんな恐怖を齎す。勿論この作品ではなく
【姿見】の話である。
古典怪談の手法で、これに近いものがある
が、作者の緻密な計算によって更に捻りを
効かせている。だから表には何ら痕跡を
見つけられず、ましてや予測する事など
到底、出来はしない。
その部屋に備え付けてある【姿見】に
纏わる、気味が悪く恐ろしい話。
勿論、詳細は記さない。
鏡に纏わる怪談は多い。それは鏡面を
境にして此岸と彼岸とが視覚的な逆位相を
創り出すからだろうか。
境界を失くした 怪異 は一体どの様な
現象を齎すのか。
ともあれ、先ずはその目で読まれる事を。
怪異 とは凡そ、その様なモノなのかも
知れない。