第28話

「こんちには、ワープロ部です」

部長がマイクを持ち、挨拶をする。

その後ろで、先輩がパワポを操作している。

「現在、私達3年生3名、2年生2名で活動しています。早速ですが、普段の練習を観てもらいます」

言い終わるなり、千紗が

『10分測ります。―よーい、始め!』

タイマーを測る動画が流れた。

少しして、早く送りになった。

『やめ!』

というところで終わった。

「このようにパソコンを使い10分間文章作成をし、その記録を競う部活動です」

マイクが私に移った。

「主な活動は、新人大会、県大会、四国大会、全国大会です」

千紗にマイクを渡す。

一つ一つ大会の名を読むたびに、スクリーンにその時の様子が映る。

新人、県、四国大会全て1位を取った。

中央に部長がいてトロフィーを持ち、その横で皆がそれぞれ取った盾や賞状を持っている。

「その他にも、5月、12月などには遠征があります」

寒川先輩にマイクを渡す。

また、スクリーンに様子が映る。

名古屋名物の味噌カツを食べているとき、大会の表彰式…など。

「活動時間は平日週5日約3時間です。土曜日も約3時間です。場所は旧校舎3階文書計算実務準備室です」

最後に部長にマイクが渡った。

言い終わると、先輩が前に出てきてマイクを持つ。

「練習時間が長くてきついと思うかもしれません。しかし、私達はとても仲がいいのできついと思いません…」

…先輩、台本と全然違うこと言ってる。部長の口が空いてる。

「そんな、私達ワープロ部にぜひ体験に来てください」

部長は強引に先輩のマイクを取った。 

「ご清聴ありがとうございました」

皆で一斉に頭を下げ、足早にステージを降りた。

その時、チラッと部長と先輩を見たが二人とも顔が全く違っていた。

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