第20話

ファミレスの入り口に差し掛かったとき、ポニーテールをした未央が手を振った。

手につられ、私も手を振りながら未央の下へ行く。

「待った?」

声を掛ける。

「ううん、待ってないよ」

首を振りながら未央は応える。

「そう。じゃ、行こうか」

「うん」

鈴が付いたドアを引く。

「いらっしゃいませ~、何名様ですか?」

と定員さんが聞く。

未央は指で2と作りながら、

「2人です」

と言った。

「お好きな席へどうぞ」

「はい。優奈、どこがいい?」

「あそこ。トイレが近い一番奥」

「分かった」

席に座るなり私たちはメニュー表を確認した。

その間に、カラトリーケースとお冷が届いた。

目当てはスイーツ。

「優奈、何にする?」

「えー、何にしよう」

指で一つ一つの商品を指しながら選ぶ。

バニラアイス、チョコアイス、抹茶パフェ、季節のフルーツのパフェ、プリン…。

どれにしようか迷う。

「未央は何にするの?」

「私はねこれ」

そう言って、プリンを指す。

「プリンか…。うーん、じゃ、私はこれ」

悩んだ末、抹茶パフェを指す。

「抹茶パフェね、おっけー」

ピンポーン 

未央が押しボタンを押した。

すぐに、定員さんがやってきた。

「ご注文伺います」

「大盛りポテトと、プリン、抹茶パフェ‥でお願いします」

「はい。大盛りポテトがお一つ、プリンお一つ、抹茶パフェお一つでよろしいですね」

「はい」

少しして、ポテト、プリン、抹茶パフェが来た。

「未央、これ食べ終わったらやろうね」

 「うん」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る