第19話

「まっ、まだ何人入るか分からないから、今争っても無駄だと思うな」

「そうですね」

「あー、良かった。今日、部活早く終わって」

背伸びをしながら、千紗と一緒に駐輪場に向かう。

「本当だね」

いつもなら、12時に終わるのに今日は30分前に解散した。

「千紗、楽しみだね」

「本当ね。一体、何人1年生入ってくれるんだろ」

「本当ね、楽しみ」

チャリの籠にトートバッグを入れ、千紗が降りてくるのを待つ。

その間、未央にメッセージを送る。

『後、30分後に行く』

と。

すぐに、

『おk』

と返ってきた。

スマホをバックにしまい、顔を上げると千紗が降りていた。

チャリに鍵をさし、千紗の隣に早歩きで行く。

そしてまたおしゃべりを始める。

「ねぇ、千紗。今日先輩めっちゃ喋ってたね」 

「そうだね、先輩基本的に静かだからちょっと驚いちゃた」

私は頷く。

「そう言えば、先輩と部長一見仲良さそうに見えるけど2人で仲良く話しているところ見たことないよね」

「うん。2人で話すときはいつも喧嘩してる」

「なんでだろうね」

「ねー」

HK駅。

千紗はチャリを置くなり、

「優奈、今日はありがとう。もう、電車が近いから」

と言いながら走って駅構内に入っていった。

私は、ゆっくりチャリを置き、メールを確認した。

もうすでに、未央はファミレスに着いていた。

トートバッグの中身を確認し、ファミレスへと向かった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る