第15話

ビニール袋にタッパーを入れ、籠に置く。

松の木にかけた自転車を押し、門を出る。

また、自分が好きな歌、妄想を頭に流しながらこぐ。

約15分後、家に着いた。

勝手口あたりに留め、バックとタッパーを持ちそのまま家に入る。

「ただいまー」 

「おかえりー」

お母さんが、テレビの前にごろつきながら挨拶を返す。

「今日の晩御飯は?」

食卓の椅子の横にバッグを置くとキッチンに行く。

お母さん達はもう食べ終わったらしく、流し台に皿が溜まっている。

「そこら辺に置いてあるよ」

「はーい」

フライパンの上に生の生姜焼き。圧力鍋に肉じゃが。

食器棚から菜箸を出して、IHに電源を入れ焼き、温める。

その間にタッパーを開ける。

「おぉ」

卵焼きがぎっしり。

…おばちゃん、これ賞味期限が過ぎたから一気にやったんだ。

半分に切り、三角のお皿に乗せチンする。

お茶碗に米を入れ、深手の皿に肉じゃがを盛り付け生姜焼きをひっくり返す。

チンし終わった卵焼きと肉じゃが、ご飯を頑張って食卓に運び、水筒を取る。

一口飲んで、また生姜焼きをひっくり返す。

少しして、焼き終わり長皿に盛る。

「できた」

再び棚を開け、箸を取りタッパーを冷蔵庫にしまう。

長皿と箸を持ち、椅子に座る。

「いただきます」

と小さな声で言い私は米にかぶりついた。

― 

「ごちそうさまでした」

手を合わし、食器を流し台に入れお風呂へと向かう。

「あっ、姉ちゃん。‥いるよ」

お風呂の戸を開けたら、服を脱ぎかけた弟がいた。

「あっ…いたのごめん」

静かにに閉じた。

弟が出るまで、歯磨きをしながら弁当を出し、バックを階段に置いた。

十分後、弟が出てきた。

タオルを掛けたまま2階に上がっていた。

風呂に入るときは5分以上湯船に浸かると決めている。

体を洗う前と洗ったあとの2回に分けている。

なので、いつも風呂を出るのが遅い。

たまに、お母さんが

「まだ?」

と声をかけてくる。

湯船に浸かりながら、髪を拭く。

ボブだからすぐに髪が乾いた感じがする。

さっさっと体を拭いて、パジャマに着替えドライヤーをする。

一分ぐらいかけ、もう一回歯磨きをした。

バックを持ち、自室に行きすぐに(持っていき忘れた)スマホを手にした。

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