第6話 国語
「未央は、電卓部だっけ?」
未央から貰ったらルーズリーフの端を黒く塗りながら聞く。
「やめたよ」
「そうなんや。…えっ?」
手が止まる。
「いつ?やめたの?」
「一年の冬だよ」
そんな時から。
「今、何に入っているの?」
「家庭科部」
「ほんまに?」
「うん。ほら」
そう言いながら、バックの中からミサンガを出した。
「昨日、作ったんだ」
「きれいだね」
青を基調としたミサンガ。
色白の未央には映えそうだ。
「ありがとう。…そろそろ、書こっか」
「あっ、うん」
ルーズリーフを見る。端が黒を通して、真っ黒になっていた。
「優奈、どうやって書く?」
「うーん…まずは、書き出そうかな」
ルーズリーフに部活の詳細を書き出す。
未央も同じように書いていく。
部活名 部活名
ワープロ部 家庭科部
5人 24人
手が止まる。
「優奈、詳細どうやって書く?」
「さっきと同じようにしていこうか」
「分かった」
…
・毎年全国大会出場 ・週間2日(月曜と木曜)
・四国大会5連覇中 ・日ごとに料理したり裁縫
・十分間に何文字 したりする
打てるかを競い合う ・最近したのは、クッキー
・週間6日 作りとミサンガ作りをし
た
「だいぶ端的だけど書けた」
私は頷く。
「後は、なんで部活に入ったか」
「なんでって、聞かれても分からないよね」
「ね」
(なんで、ワープロ部に入ったのか)
考えながら、書いていく。
それは、未央も同じようで書いては何度も消して書き直している。
「ねぇ、未央。なんで、電卓部やめたの?」
不意に聞く。
「飽きたから」
率直に答える。
「そっか」
「そうだよ」
未央の手が止まる。飽きたらしい、書くのが。
キンコーンカーンコーン
少しして、チャイムが鳴った。
「きりーつ、れーい、ありがとうございました」
副委員長が号令をかける。
席に戻ろうとする、私を未央はとめた。
「優奈、土曜日空いてる?」
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