第13話 月 日 (化学調味料の聖域)
お料理が好きである。調理が好きである。得意であるかどうかはわからない。
高校生の時に兄が三年間自分でお弁当を作って持って行った。僕もそれを踏襲するよう親に命じられた。
器用な立ち回りは出来ないが、そこそこのお弁当を僕も三年間作って持って行った。
皆は親が作ったお弁当で豪華だ。そこで自分が作った事を悟られないように季節の気配も入れながら色彩とレイアウトには留意した。
僕は葉っぱを虫の様に食べるほど好きだ。あと汁物が大好きだ。自分のお弁当のみならず、実家の日々の料理も手伝った。
大学に入ると、自炊を極めた。自分でいろんな料理を作り、友達に振舞った。「にこにこ先生食堂」を営業していたのだ。
汁物は専門の本をたくさん買って色々試した。
大学院に進学してからはバーベキュー番長、鍋奉行、パエリア職人であった。
でも料理に絶対はない。好みも万別だ。なので、食べ方や他者の料理については一切批評はしない。
社会人になってからも自炊を頑張っていたが・・・仕事が忙しくて自炊することが減っていった。
鍋系やおでんや汁物は作る。ちゃんと作る。
昨今の巷の料理屋さんでは化学調味料が使われないことはない。特に日本的中華料理は間違いなく入っている。
それでもそれは否定しない。個人的にはピリピリと尖ってむやみにうまみが強調される特徴があり、体調に依るがしばしば閉口する。
歴史的な旨味文化の経緯と、戦後の食文化の変化、家庭料理の簡易化、食品メーカーと商品の影響、など化学調味料の発展については諸々ある。
でも自宅では僕も使う。割り切って使う。
一方、忙しくてデリバリーを頼むことも多い。反省しつつもつい頼んでしまう。
今はデリバリーでも満足度は高い。けれどもちゃんと自炊した方が健康に良いよ、と自分に言い聞かせるのを頑張っているところなのである。
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